まとめてつぶやき1089 喘息&アトピー性皮膚炎の解読から人体の本質を知る1-2

 京都新聞にコラムを寄稿されていた明治鍼灸大学教授の篠原昭二さんによれば鍼灸医学では皮膚病のほとんどは肺と関連があり、また肺の病気は皮膚と関連があるという。そして肺は「気の大元締め」といわれ、肺の気が消耗すると疲労を感じ、免疫力も低下して感染症にかかりやすくなる。さらに肺は呼吸器とも関係が深いため肺が悪くなると喘息や呼吸困難、むくみが起こる。

 ちなみにアトピー性皮膚炎におけるジクジクとした湿疹は水分の代謝を司る脾臓(=膵臓)と気管支の働きが弱っていることが原因で咳やタンはそのサイン症状である。

 脾臓が疲労するのは甘い物の多食および食事の不摂生(消化がまだ完了していないのに次の食べ物を食べる、現在の消化力を考えずに高カロリー、高脂肪食を摂るなど)、精神的な悩み、考えすぎなどで食欲はないが甘いものだけは食べられるという状態になる。

 ・・・ただし薬膳の五味と五臓五腑の相性を見ると甘いものは脾臓に良い作用をもたらし、食べすぎると腎臓に悪影響を及ぼすと書いてある。ということは膵臓と胃を弱らせる酸が強い状態にあって(胃酸過多)、これを中和するために甘い物を欲すると解釈すべきだと思います。

 では何が胃酸過多をもたらしているかと言えばアトピー性皮膚炎や喘息に効くツボの解説に「気の遣いすぎ(により肺が弱っている)」と書いてあります。ここでの意味は家庭や職場でいつもビクビクしているという意味ではなく、これが子どもの病気であるからには患者の生活環境に刺激が多すぎると見るべきでエネルギー(ATP)の枯渇による症状であると推測できます。それでは具体的にツボの解説を見ていきましょう。

アトピー性皮膚炎の治療は肺の治療が大原則で特に肺の気は肩甲骨の間の皮膚に影響力を持っており、私達が咳が止まらなくなった人やむせた人の背中を無意識にさすってやるのも肺の気を鎮めるためだったのだと分かります。実際肺の気が消耗して汗腺の調節が上手くいかなくなると肩甲骨の間に暑くもないのに汗をかいたり寒気を感じたと思ったら風邪をひいたということが起こります。他にちょっと気を遣うだけで汗をかく、人混みに出るとくたびれる、力のない咳が長く続く、無気力で何をする気にもならないなどは肺の気が不足していることを表しています。そこで鍼灸医学では肺兪(はいゆ)、魄戸(はっこ)、中府、尺沢(しゃくたく)、列缺(れっけつ)のツボを順に押していきます。(3秒、~7秒)

肺兪は背中の第3胸椎と第4胸椎の間右側にあり、ひどい咳や喘息、寝汗、潮熱(ちょうねつ、夕方から夜にかけて発熱し、朝になると下がる)、吐血に効果があります。また体の老廃物を尿と一緒に排出し、肌荒れを改善します。一般的には肝臓や腎臓、そして腸がこの働きをしていると教えられて私達は腸活に励んだりしていますが、肌荒れを水分の代謝不良と考えれば肺や副腎皮質(鉱質コルチコイドで抗利尿ホルモンの一つアルドステロン)が原因と分かるのです。

魄戸のツボは肺兪の右隣にあり、肺の気が出入りする穴とされています。気を遣いすぎたり、疲れた時に変な咳が出る時に押すか灸で温めると良い。風邪の予防法としては乾布摩擦がオススメ。肺は皮膚をつかさどり、したがって皮膚刺激は呼吸器の働きを強めるも考えられるので毎朝皮膚が赤くなるまで肩甲骨の間とデコルテエリアをゴシゴシ摩擦すると風邪をひきにくくなる。(体力アップ効果も?)

 中府のツボは鎖骨の下を外向きになぞって腕の付け根の骨に到り、そこから2.5cm下がったところにある。胸腹部にある経穴の中で肺と最も関連が深い。咳や喘息、胸の膨満感、扁桃の腫れ、頑固な肩こりに効果が期待される。

 尺沢のツボはひじの内側、腕の骨の外側のわきにあり、咳や喀血(かっけつ)、呼吸困難、喉の腫れに効く。また呼吸器に作用して水分調整に関与する。特に咳止めの効果が高く、外出時の突発的な咳発作に有効です。

列缺のツボは親指側の手首から指2本分ひじ側に下がった所にあるツボで肺経の本経から「枝分かれ」して大腸経に連絡するツボです。肺機能を高めて呼吸を安定させる、頭部や頸部の痛みやこり、顔面麻痺に効果が期待されます。

 ・・・この他、第11,12胸椎の間の左右にある脾兪(脾臓の機能を調節して免疫力を高める、胃腸の疲れや背中の張りを去り精神の安定や睡眠の促進をもたらす)や公孫(足の裏、親指の膨らみの下、土踏まずの始まりの外側にあり、胃腸の興奮を鎮め、また穏やかな活動を促して胃潰瘍/胃酸の過剰分泌に効果を発揮する、腹痛、食欲減退、吐き気、ストレスへの過剰反応を抑えて抑うつ状態を改善する)、足三里(膝下を骨に沿って指4本くらい下がったところにあるツボで胃を活発にし、消化吸収能力を高める)、迎香(げいこう、鼻の穴の左右わきにあり肺と大腸の働きに関与して鼻疾患と顔面麻痺と歯痛に効果)、頬車(きょうしゃ、耳たぶの下の下顎骨の間のくぼみ、下歯痛、耳下腺炎、三叉神経痛、耳の疾患、髄液異常による顔面神経麻痺に効果)なども押すと良い。

 肺機能が弱まる原因としてのエネルギーの枯渇は第一に体内の酸素不足によりエネルギー生成方式がクエン酸回路に切り替わっている可能性があり、酸素不足の理由は運動不足による特にふくらはぎの筋肉の衰えです。ふくらはぎは「第二の心臓」と呼ばれ、筋ポンプ作用によって血液や酸素を全身に送る働きをしていますが、筋力が衰えるとポンプ作用が弱まって血液や酸素が行き渡らなくなり、冷えやむくみや酸素不足をもたらします。そうして肺が冷えた状態を「肺中冷」といい、免疫力が低下して感染症に罹りやすくなります。ちなみにリンパ液も筋肉の収縮によって流れが促されているので運動不足はリンパの流れも悪くします。

 肺機能が低下している人は「労作時呼吸困難」といって体を少し動かすだけで息切れを感じてしまうようです。それで体を動かすこと、歩くこと、階段を上り下りすることが嫌になり、ますます症状を悪化させることになります。ダニやハウスダストや花粉、アレルギー食材、そしてエストロゲンの被ばくによるアレルギー反応は二次的なものと考えるべきでしょう。(ちなみに私たちが蚊やゴキブリを嫌うのは彼らがアレルギー物質の保菌者だからです)

 医学用語を使ってさらに詳しく解説しますと運動すると筋肉からマイオカインという生理活性物質(サイトカイン、患部に集まって免疫細胞や修復細胞を呼び寄せる働きをする)が分泌され筋肉の代謝や成長を助けたり、筋肉への糖の取り込みを増やして血中血糖値を安定させたり、脂肪細胞に作用して蓄積された脂肪を燃焼させたり、血管の老化や骨粗しょう症を予防したり、脳細胞を活性化させて認知機能の低下を防いだり、コラーゲンの生成を促して肌の張りや弾力を維持したりしてくれていますが、運動しないとその分泌量が減るだけでなく、悪玉マイオカインという逆の作用を持つ生理活性物質が優位になってしまいます。例えばミオスタチンは筋肉の成長を抑制して筋肉量を減少させ、内臓脂肪の蓄積を促し、他の種は炎症を悪化させたり、インスリン抵抗性(インスリンの効きが悪くなった状態)を高めたりします。そしてこれらが心肺機能や胃腸や腎臓、膵臓(漢方学では「腎」と表記する)、脳や骨や皮膚を弱らせてアレルギー性の病気を悪化させたり、冷え性、肥満から糖尿病を発症させたり、免疫力の低下による感染症や生理不順、高血圧、自律神経系の症状としての不眠やうつや肩こり、頭痛、疲労感、集中力の低下、落ち着きのなさ(=せっかち)を誘発したりするのです。・・・ちなみにこれらは月経前から月経期の女性が訴える不調と一致しています。

 事実、糖尿病の人は例外なく上半身に比べて下半身が細く、したがって健康の大原則である「頭寒足熱」が崩れて冷えのぼせの状態にあります。そして鍼灸学では糖尿病に効くとされるツボは同時に肺や冷え性や炎症などにも効くとされています。例えば土踏まずにある湧泉のツボ(副腎および腎臓に当たる)は高血圧、冷えのぼせ、喘息、むくみ、白髪、不眠、生理痛、腎臓疾患、そして運動不足や過労による動悸・息切れに効果があり全身の体力を向上させる万能のツボとされていますし、隠白(いんぱく)という脾経のツボがある足の親指の爪の下(大脳、果松腺、脳下垂体、扁桃腺にあたる)には肝臓や胃腸機能を高める、めまい、疲れ目、あがり症、ボケ防止、乗り物酔いなどに有効な太敦(たいとん)のツボもあります。

 さらに栄養学的に言えばこれらは鉄分、ビタミンB6、ビタミンD不足ということになりミオスタチンの活動を抑制するビタミンDは糖尿病の発症を抑える栄養素でもあります。具体的にはミオスタチンの活動を抑制するたんぱく質「フォリスタチン」の生成を促すことによって間接的にミオスタチンを抑制しています。そしてこの働きによってビタミンDには筋肉の成長(肥大)を促進したり筋肉の分解を抑制したりする効果も示唆されています。ーーー肉や果糖(果物に含まれる糖分)、アルコールの過剰摂取も体を酸性に傾かせてミオスタチンの増加を招きます。一方カテキンはフォリスタチンを増やす働きがあります。

 鉄分不足の原因は偏食(合理主義の弊害)、ダイエットや欠食による胃酸不足(あるいは砂糖の摂取によって大量に分泌された粘液が胃酸の働きを弱めることで鉄の吸収力と消化力が低下する、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃がん、大腸がん(消化器系の病気も鉄の吸収を妨げる。加えて出血を伴う)、月経、痔、妊娠および授乳(胎児または母乳に鉄分が移行する)、慢性炎症(鉄の吸収と利用を妨げる)などでこれらの病気も一つの原因につながっているのですが、鉄不足のサインもまた上記の症状と似ています。

 鉄不足のサイン―――疲労感、息切れ、めまい、顔色の悪さ、爪の変形(スプーン状)、集中力の低下、立ちくらみ、食欲不振、イライラ、脱毛、口角炎、舌炎、異食症(氷食症など)、動悸、頭痛、冷え性、むくみ、吐き気、便秘、下痢、肌の乾燥、目の下のクマ、アザができやすい、不眠症、むずむず脚症候群、月経不順、過多月経など。このうち肌の乾燥はアトピー性皮膚炎の原因の一つとされる「皮膚のバリア機能の低下」に関与していると思われます。

 それからビタミンB6はたんぱく質の代謝にかかわる栄養素でたんぱく質が筋肉や骨や臓器や血液(赤血球)などを作るのを助けますので不足すると筋肉量の減少及び筋力の低下、貧血を引き起こし、さらにはドーパミンやセロトニンの合成も滞って疲れやすさやうつ症状を招くことになります。

 ブロッコリーにはビタミンB6(と痔に効くビタミンP)が豊富に含まれているので筋トレをしている人は鶏ささみとブロッコリーばかり食べていると聞きますが、これはアーユルヴェーダ学で言うところの「ヴァータ体質」に傾倒させてしまう行為です。ヴァータは呼吸、精神活動、下腹部と胃腸の働きをつかさどり、乱れると気分の変調が激しくなったり(躁うつ状態という)、不安や心配が強くなったり(強迫性障害という)、冷えと乾燥が強まったり(冷えのぼせ=更年期障害。実は年齢とは無関係)、食欲・消化力・排泄・睡眠・性欲などが両極端に振れてチートデイという発想を生み出したりしてしまう、エネルギーを貯められなくなり疲れやすくなる、行動が散漫かつ衝動的になる、一時間もしないうちにおなかが空いたという錯覚に駆り立てられる、消化力が低下しているのでおなかにガスがたまりやすくなる、便秘、夕食の消化が遅いので夜眠るのが遅くなる、呼吸力の低下によりいびきをかきやすくなるなどの症状が現れます。すると彼らはこれらの症状を和らげて心の平安を取り戻すために甘い物に頼ってかえって攻撃性や心配性、かゆみや冷えを悪化させたり、あるいは塩味と油によってヴァータの鎮静を図ってポテトチップスや甘じょっぱい物」(この発想もヴァータ体質の感性か)に手を伸ばし、やはり体質を悪化させてしまいます。(ちなみにジャガイモもこの体質の人が避けるべき食材の一つである)

 *ヴァータ体質の人がさけたほうがよい食べ物ーーーオオムギ、そば、トウモロコシ、ライムギ、豆類、緑の葉野菜、キャベツ、カリフラワー、ブロッコリー、カリフラワー、ジャガイモ、セロリ、インゲン豆、さやいんげん、玉ねぎ、キノコ類、タケノコ、レンコン、にんにく、カボチャ、もやし、西洋ナシ、ざくろ、いちじく、干し柿、クランベリー、グァバ、精白糖、加熱されたはちみつ(40度以上で消化できなくなる)、ピーナッツ油、ベニバナ油、ごま油、亜麻仁油(著者はこれらの油は食用ですらないと断言している)、ピーナッツ、スパイスのうちチリとホットパプリカ他。・・・ただし『毒を出す食 ためる食[実践編]』(蓮村誠、PHP文庫)によれば甘味、酸味、塩味の食事はヴァータ体質におすすめの食事に分類しており、また『家庭の薬膳』(千頭 一生、大洋図書)で五臓五腑の相性で見ると糖尿病の人が食べるべき食材(かぼちゃ、玉ねぎ、ジャガイモ、ピーナッツ)も含まれており、甘味は食べ過ぎると腎と膀胱に悪影響をもたらし、塩味は食べ過ぎると心臓と小腸に悪影響をもたらすと書いてありますからここではむしろ全体質にとって注意するべき食材である肉・魚類と氷水、カフェイン、アルコール、炭酸水、果糖ぶどう糖液糖入りの清涼飲料水、そしてジャンクフードの摂取を減らし、偏食の目安としてアレルギーの改善には当該食材だけでなく同じカテゴリーの食材をすべて一時的に食べないようにすることを考えるべきと考えます。ちなみに果糖ぶどう糖液糖は『シリコンバレー式 自分を変える最強の食事』(デイヴ・アスプリー、栗原百代訳、ダイアモンド社)によれば「遺伝組み換え作物のコーンシュガーを精製して濃縮シロップにしたもので肥満、糖尿病、高血圧、痛風の主要因。多少でも摂取したら肝臓を損ない、知的能力を低下させ、真菌感染症を引き起こし、食物への渇望を駆り立てあなたを太らせる」と警告しています。

 さらに50%以上の体力を消費する運動は激しい運動に分類され、ヴァータを悪化させるされ、アスプリ―氏も「ストレスの多い仕事をしているのに目一杯運動したらコルチゾール値が跳ね上がり体重が増加し、筋肉は失われ、テストステロン値も低下し(女性も)、バーンアウト(燃え尽き症候群。私は覚醒障害への敗北とみる)を引き起こす」と指摘し、心肺機能の改善には有酸素運動だけでなくウエイトトレーニングも必要と教えてくれています。彼が勧める高濃度インターバルトレーニングは「30秒全力で走ったら90秒間休むというリズムを15分間繰り返す。しかも週に一度でいい」というもので「これによりヒト成長ホルモンおよびアンチエイジングホルモンがたっぷり生成され、毎日一時間ジョギングするより心肺機能が高まりやすい」と書いています。(ただし、胃が空っぽの状態で午後一時から二時の間に行い、昼食はその後に摂るという制限があります) 加えて休息が必要なほどの肉体的疲労は悪玉マイオカインの分泌を促し、精神的ストレスによって分泌された時のコルチゾールは運動への意欲を抑制して食欲を増進させるといわれています。

 ビタミンDの効用について話す前に不眠と喘息の関係について消化しておきますと、そもそも咳が出るのは気道内に存在する咳受容体が刺激を感知して咳反射を起こす機構を作動させるからです。そして気管支平滑筋に作用して咳反射を実行するのはメラトニンと女性ホルモン(エストロゲンとプロゲステロン、代謝しきれなかったもの?)といわれており、メラトニンは一般に入眠にかかわるホルモンとされていますが夜間にメラトニンの血中濃度が高まると気管支平滑筋のMT2受容体に結合して気管支喘息を悪化させます。しかしメラトニンを抑制すれば夜間の喘息発作を防げるという問題でもメラトニンの不足が不眠の原因といって片づけられる問題でもありません。メラトニンは日が沈めば勝手に分泌させますし、私は寝る時間のギリギリまでPCで仕事をしていても眠気で頭がふらつくほど夜更かししてもベッドに入ればすぐに眠れます。それはメラトニン及びその材料のセロトニンが副交感神経を優位にする働きを正常に行ってくれているからです。したがってPCやスマホのブルーライトが交感神経を刺激して眠れなくなるという診断も間違いです。実は副交感神経が過剰に緊張することでも白血球内のリンパ球が増加して血行が良くなるのです。副交感神経は基本的に鎮静をもたらすものですが長期間持続すると過緊張が起きて免疫細胞を活性化させ、やがて血流を滞らせて交感神経の過緊張と同様に低体温を引き起こす仕組みになっているのです。(『体温を上げると健康になる』医師 齋藤真嗣、サンマーク出版) 著者は交感神経の過緊張期(つまりレム睡眠時)が中途覚醒や早朝覚醒を引き起こすと書いていますが、夜間頻尿や夜尿症は副交感神経の過緊張と低体温による「夜間低酸素血症」が原因と考えられます。副交感神経(骨盤神経)は骨盤内にある膀胱、直腸、生殖器の機能を調節する役割を担っていますが、血中の酸素濃度が下がって無呼吸や低呼吸が生じると心臓への負担を軽減するためにこれらの臓器を活動させて排尿、排便を促すことで対処しているのです。 ・・・もう一歩踏み込めばこの低体温及び低呼吸は肺や気道に(慢性的な)炎症があってその熱を冷ますために水が溜まり、これにより肺が冷えて機能が低下し(および免疫力の低下)、呼吸障害やアレルギー反応を引き起こしていると考えられます。―――ひざに水が溜まるのもむくみや水太りも患部の熱を冷ますための体の対処法の一つ。

 著者は自律神経それぞれの過緊張によって発症する病についても書いてくれているので引用しておきますと「交感神経の過緊張は働きすぎ(コルチゾールの分泌が夕方を過ぎても落ち着かない、その原因は仕事に限らない)によって起こり、血流障害と低体温症に加えて顆粒球(白血球の一種)の異常増殖により粘膜や組織が破壊されて胃潰瘍、十二指腸潰瘍、潰瘍性大腸炎、間質性肺炎、メニエール病、歯周病のリスクを高めます。また副交感神経の過緊張はだらけた生活や運動不足によって生じ、同じくリンパ球の増加による免疫の過剰反応によって喘息、アトピー、花粉症などのアレルギー疾患が起こりやすくなります」。さらに炭酸飲料は血中の二酸化炭素濃度を上昇させて副交感神経を刺激するとも教えてくれていますからインドア派の人にとって炭酸飲料は不眠やアレルギー疾患の原因になり得るということになります。またヴァータ体質の人は交感神経優位型の不眠症になりやすい。

 ・・・このように人体の基本戦略であるホメオスタシス(恒常性)の維持に倣って家で大人しく過ごし、大声も立てず、体力を温存しているような生活は今この時の平穏を保つにはよいかもしれませんが中長期的に見れば恒常性を永久に失う生き方です。活動的な中高年者が入院することを嫌うのも医者がひたすら安静にしていることを要求し、それが死につながっていることを本能的に知っているからです。逆に内向的な人や引きこもりの人やカパ体質の子どもなどは頭を忙しく使っていれば外交的な人と同じように健康的でいられると信じて考えすぎたり、ゲームに夢中になったり、被害妄想や攻撃衝動に身を委ねるなどして精神を病んでいます。これについては続編で解説します。

 さていよいよビタミンDの働きについて書いていきますが、この栄養素も鉄と同じくすべての病気の抑制に関わっていることがわかります。第一に有名な骨の健康を保つ働きがあり、これは小腸でカルシウムの吸収を助けることで実行されますが、膵臓でカルシウムの吸収を助けた時には副実皮質から分泌される抗利尿ホルモンである「アルドステロン」が制御しているカリウムと協力してインスリンの分泌を促進します。他にはマクロファージや抗菌ペプチドの生成および活性化を促すことによって免疫機能を維持したり感染症を予防したり過剰な免疫反応(自己免疫疾患やアレルギー反応)を抑制したりする、腎臓でリンの排出に関与してカルシウムの血中濃度との対比1:1を維持する、細胞の増殖や文化をコントロールすることによって大腸がんや乳がんや前立腺がんの発症を予防し、あるいは肌のターンオーバーを促進して肌の健康を維持する、皮膚や腸のバリア機能を担うタイトジャンクションを制御することでアレルギーの発症原因となる腸漏れを予防する、高血圧や心疾患や脂質異常症のリスクを下げる、セロトニンの分泌を促して精神バランスの乱れを軽減する(ここで言うセロトニンは食事中にインスリンを分泌する条件である副交感神経優位の状態を作り出すためのものか)、情報処理能力を高めるなどです。ネットでビタミンDを検索するとAIの回答として「日本で行われた大規模な追跡調査によればビタミンDとカルシウムを十分に摂取している男性は糖尿病の発症リスクが38%、女性は41%低下することが確認された」という情報とすぐ近くに「厚生労働省が把握している臨床試験によればビタミンDの摂取だけで血糖値やインスリン抵抗性が改善されるわけではない」という情報が並んでいますが、彼らは血糖値についての認識を誤解しているから糖尿病の認識まで間違うのです。

 先にビタミンD不足の弊害について書いておきますとやはり喘息の悪化が出てきます。特に小児ぜんそく患者において発作の頻度と強度が高まることが確認されていますが、ビタミンD低地の喘息患者でステロイド(=コルチゾール)の反応が低下するのはビタミンDが持つ過剰免疫反応の抑制や粘膜のバリア機能の恩恵を受けられないからです。コルチゾールとビタミンDのタッグは気道上皮細胞においても恒常性を保つ働きをしています。ビタミンDのさらなる効用は一般財団法人光線研究所所長で医学博士の黒田一明氏によって報告され、『気管支喘息と可視総合光線療法』というサイト記事によれば「重症成人喘息患者に二種類の炎症性サイトカイン濃度の顕著な増加がみられ、ビタミンD投与によってこれを下げ、炎症を鎮めることができた」と記しています。これもビタミンDが産生を亢進させたインターロイキン10(IL-10、炎症性サイトカインの産生を抑制して過剰な免疫応答を抑える)の働きによるものでしょう。

 では糖尿病の話に進みます。漢方学では糖尿病の原因は腎(膵臓)にあり、個々の機能が低下してが水分の代謝が悪くなると体内に余分な水分が滞って体を冷やす、それで糖の燃焼効率が落ちて血中にぶどう糖が残ってしまうと考えます。これに栄養学の知識を追加すると過食により糖をエネルギーに変換するために必要なビタミンB群が不足してしまい、仕方なくいつか使うときのために余ったぶどう糖を脂肪に変換して貯蔵するのですが、あまりに多いと脂肪細胞が「風船のように膨らんで」インシュリンレセプター(受容体)をふさいでしまい、インスリン抵抗性が生じて糖代謝がさらに低下してしまう、さらにはインスリン自身も仕事を終えると肝臓で分解されて脂肪に転換されますのでインスリンを分泌すればするほど脂肪が増えていくという二重の悪循環によって肥満を加速させてしまいます。尿や血液へのぶどう糖の侵入はやはりインスリンが腎臓でグルコースの再吸収を行うSGLT-2(ナトリウム-グルコース共輸送体2)の働きを抑制するシグナル伝達経路を活性化し、かつ血中濃度の上昇によって腎臓の血管壁を傷つけることで起こります。

 ※中心性肥満を例に説明すると余ったぶどう糖は神経細胞やそれに栄養を運ぶグリア細胞の材料として貯蔵されます。(たんぱく質も材料の一つ)大人の脳には神経細胞とグリア細胞が1000億個ずつかそれ以上存在し、真一二審で新しいものと入れ替わっていますがそれでも使いきれない分は脂肪がつきやすいおなかと体幹部と顔と肩(背中の上部)に集中して貯蓄されてコブのようになり、手足は細いのにお腹だけ出ている状態を中心性肥満、顔が真ん丸になって満月のように見える状態をムーンフェイス、肩にコブができた状態を水牛肩といいます。私はこの型こそ肥満の原型と考えます。ちなみに二の腕に脂肪がつきやすいのは肺機能が低下しているサインだそうです。ステロイドの大量投与による中心性肥満や骨軟化症、白内障、胃潰瘍も同じことです。

 

 ・・・このように書くとインスリンが悪者のように映るかもしれませんが元はと言えば食べ過ぎとインスリンの効きの悪さから過剰な分泌を迫られているのであってインスリンの分泌自体、多くの生理反応のために阻害されているのです。その一つはインスリンの材料である亜鉛とアミノ酸の不足で子どもあるいは世間一般の親で亜鉛やアミノ酸の摂取について考えたことのある人はゼロに近いでしょう。また肺機能が低下して慢性的に咳をしている人は咳をするため、すなわち気道の血管平滑筋を収縮するためにカルシウムを使用していますし(インスリンの分泌条件は一つではありませんが)、この咳反射をキャンセルする(すなわちカルシウムが細胞内に取り込まれるのを防いで血中カルシウム値の低下をも抑制する)ために働く一酸化窒素(NO)はアルギニンから生成され、同時にアルギニンの分解酵素であるアルギナーゼに阻害され(喘息持ちの人の肺などではアルギナーゼが過剰に活動しており、その増産のためにアルギニンを消費して一酸化窒素の生産を減らし、結果NOの血管拡張機能や抗炎症作用などの恩恵を受けられず慢性炎症性疾患を悪化させてしまう)、そしてアルギニンの主な供給源はインスリンの大敵でもある高タンパク質食なのです。

 アルギニンを多く含む食品ーーー牛肉、ビーフジャーキー、豚ロース肉、鶏むね肉、鶏ささみ、鶏卵、マグロ、カツオ、鰹節、クルマエビ、カニ、豆腐、納豆、みそ、高野豆腐、湯葉、きな粉、乳製品、かぼちゃの種、ゴマ、ひじき、アーモンド、クルミ、落花生など。

 ちなみに高タンパク質食品はーーー牛もも肉、牛赤身、豚ヒレ肉、鶏むね肉、鶏ささみ、マグロ、カツオ、鮭、サバ、イワシ、アジ、エビ、カニ、イカ、鶏卵、ウズラ卵、豆腐、納豆、きな粉、油揚げ、牛乳、ヨーグルト、チーズなど。

 さらにリンを多く含む食品ーーー牛肉、豚肉、レバー、干物、ビーフジャーキーやハムやベーコンや練り物やインスタント麺やレトルト食品などの加工品(グルタミン酸ナトリウムも多い)、魚の骨、魚卵、鶏卵、豆腐、納豆(カリウムも多い)、きな粉、牛乳、チーズ(特にプロセスチーズ)、米ぬか、玄米、ライムギパン、そば、トウモロコシ、コーンフレーク、ポテトチップス、乾燥ワラビ、干しシイタケ、乾燥きくらげ、乾燥トウガラシ、ナッツ類、ベーキングパウダー(ケーキ、ホットケーキ、ババロア他)、クラッカー、プレッツェル、おかき、あられ、紅茶、濃い緑茶(玉露、抹茶)、ビール、日本酒、ワイン、紹興酒、発泡酒など。

 うちビタミンDを多く含む食品ーーーきくらげ、干しシイタケ、紅鮭、白鮭、真イワシ、鶏卵、ウズラ卵、牛乳、チーズ。

 うちマンガンを多く含む食品ーーーきくらげ、干しエビ、アーモンド、大豆、干し。他にはショウガとしじみと青のり。

※普通の食事からの摂取で過剰摂取になることは少ないが、妊婦及び授乳婦、アレルギー体質の人、肝臓障害や腎機能障害を持つ人、低血圧の人や降圧剤を使用している人では注意が必要とされている。(アルギニンが肝臓と腎臓で代謝されるためとアレルギー疾患を悪化させるため、また胎児に成長ホルモンの過剰分泌による巨人症が起こるリスクがある)

 アルギニンは大前提として体内のエネルギー産生をサポートして滋養強壮の源となる重要なアミノ酸で成長ホルモンを分泌して筋肉の成長や脂肪燃焼を促進し、運動によって発生する疲労物質であるアンモニアの分解を助けて疲労回復をサポートし、血管内壁を覆う内皮細胞などで一酸化窒素の生成に関与して血管拡張作用による高血圧、冷え性、動脈硬化の予防及び改善にたずさわり、免疫細胞のマクロファージを活性化させて免疫力を高め、肌の保湿や新陳代謝を促進し、傷の治癒を促進し、男性機能の改善に関与します。

 またアルギナーゼも哺乳類の肝臓や腎臓に多く存在してアンモニアの無毒化やアルギニンの分解に関わり、それによって生成された尿素は体内で不要になった窒素を排出する役目を担い、オルニチンは肝臓機能を回復するサプリメントとして知られていますがアンモニアの解毒と脂肪の分解と成長ホルモンの分泌を促す物質です。しかしマンガンの過不足により機能が亢進するとサイトカインへの命令が炎症抑制から促進に切り替わってがん細胞の増殖や転移を助けたりアレルギー反応を亢進させたり、肥満や糖尿病を進行させたりしてしまいます。(肥満になると脂肪組織に炎症系M1マクロファージが集まって慢性的な炎症を引き起こし、インスリンの抵抗性を高める、ヒスタミンの分泌を促す)

そうしてたんぱく質の過剰摂取による全身の疲労感や倦怠感、消化不良、便秘、おなかの張り、おならの頻度とにおいの増加、腎機能の低下(尿素の過剰処理の結果)、尿酸の増加による尿路結石の生成、むくみ(たんぱく質の代謝には水分が必要で過剰なたんぱく質は過剰な水分および脱水を生む。そして脱水は感染症のリスクを高める)、体臭の悪化(特にホエイプロテインなどの動物性たんぱく質は硫黄を含むアミノ酸が多く、消化不良によって発酵させてしまうと体臭に反映される)、そして体重増加をもたらしてしまいます。

 ・・・ちなみにM1マクロファージの活動を抑制しているのは副腎皮質ホルモン(コルチコステロイド)で活性させるのは情報伝達係の樹状細胞(異物を捕食、分解してからTh細胞へ連絡)とヘルパーT細胞(樹状細胞からの連絡をマクロファージに伝えて貪食作用を促す)でコルチゾールの分泌に依存します。

 さらにここで成長ホルモンについての誤解を解いておきますとそれは「空腹ホルモン」とも呼ばれるグレリンによって食事の開始時(ごく短時間)とノンレム睡眠中と筋トレ後に分泌されます。脳の下垂体から出て筋肉の代謝や成長や骨の成長を促します。またグレリン自身も胃から分泌されて脳の接触中枢を刺激することで食欲を高めたり、胃の消化能力を高めたり、インスリンの分泌を促すために副交感神経を優位にしたり、脂肪の蓄積を促進したりしており、医者などが「空腹にして眠れ」と勧めるのはグレリンの分泌を促すためです。ただし『最強の食事』では眠りに必要なエネルギーを確保するために30g~100gの炭水化物を摂って寝たほうがいいと勧めており、私も実体験によってそれを確認しています。

 マンガンも大切な栄養素なので紹介しておきますとアルギニン分解酵素をはじめとする多くの酵素に結合して活性を促進する補因子として重要で解糖系のエネルギー生成経路(短距離走などの無呼吸運動時の筋肉で起動)において乳酸からグルコースを合成するのに必要な乳酸脱炭酸酵素に働きかけたり、グルコース濃度の変化に応じてインスリンが分泌される経路において糖代謝、脂質代謝、たんぱく質代謝、骨の再石灰化に関与したり、コレステロールや甲状腺ホルモン(脳下垂体から分泌されて新陳代謝による発育や発達を促したりエネルギー産生や体温や心拍数や消化の調節)、にかかわっている他、性ホルモンの合成にかかわったり、脳の神経伝達に関与して記憶力を高めたりイライラを抑制したり、細胞膜が活性酸素に傷つけられるのを防いだりしています。(スーパーオキシドジスムターゼ/SODという) したがって不足すると甲状腺機能低下症になると代謝の低下、無気力、疲労感、体重増加、便秘、筋肉や骨の減少、アレルギー、めまい、耳鳴り、生殖腺障害が発現し、より重要な悪影響として母性愛の喪失による育児放棄や生まれた子に運動失調や平衡機能障害が現れることがあります。(動物実験による結果) 逆に甲状腺機能亢進症になると頭痛、生理不順、筋肉のけいれん、体重減少、動悸、イライラ、そして粉塵由来の中毒により肺炎を引き起こし、慢性化するとパーキンソン病に似た中枢神経系の障害が現れます。

 そろそろくどくなってきましたが、リンも85%はカルシウムとともに歯や骨の生主成分であるハイドロキシアパタイトの形成に消費され、残りはクエン酸回路においてミトコンドリアからATP(アデノシン三リン酸)を生産するのに使われたり、リン脂質として細胞膜の材料に、DNAの構成成分であるヌクレオチドや脳の神経伝達物質であるアセチルコリンの材料として消費されており、当然体の恒常性を維持するために働いていますが肉食中心の食生活によってリンの摂取量が過剰になってカルシウムとの血中濃度比1:1が崩れると(かつ腎臓とビタミンDによる血中リン濃度の調節が崩れると)高リン血症を発症して副甲状腺ホルモンが骨や歯からカルシウムを取り出して血液中に放出し始めたり腎臓や腸でのカルシウム吸収率を上げたりします。よって低カルシウム血症(小児や高齢者の姿勢を悪くしたり、足や腰の骨を曲げたり、妊婦および授乳婦や高齢者の骨をスカスカにしたり、筋肉をけいれんさせたり神経と筋肉を興奮させたりする)や腎疾患(重金属中毒)、そして副甲状腺機能低下症(血中カルシウム濃度の調節能力の低下)を併発しやすい。

 高リン血症になってもほとんどの人が無症状といわれていますが、カルシウムとリンの結合によって作られる異所性石灰化が血管で起こると動脈硬化や脳梗塞、心筋梗塞を引き起こし、関節で起こると関節炎を、そして皮膚に沈着すると乾燥肌と激しいかゆみを引き起こします(アトピー性皮膚炎と誤解しやすい症状)。しかも肝心の骨にはカルシウムが届けられずに骨粗しょう症に向かわせますから無症状ということはないと思います。―――また仮にこの時の低カルシウムが細胞内への取り込みの増加によって血漿中のカルシウム濃度が低下したように見えているとすればカルシウムは血管平滑筋の収縮に使われており、交感神経や血圧や臓器への血液供給あるいは咳反射などが亢進していることになります。すなわち覚醒レベルの維持。(水分とナトリウム、カリウムの体内量を調節しているアルドステロンの枯渇の原因)

 それからもう一つ、仮に食べ過ぎによる腹痛や下痢、吐き気や発汗過多などがリン脂質から生産される神経伝達物質のアセチルコリンの過剰分泌の症状だとすればリンの摂取も喘息の悪化原因ということになります。そのことは関西学院大学理工学部教授の矢尾育子さんと浜松医科大学の共同研究により確認されています。

 アセチルコリンの過剰分泌による症状ーーー消化器系の症状として唾液の過剰分泌、下痢、腹痛、吐き気、呼吸器系の症状として呼吸困難、気道分泌物の過多、心血管系の症状として徐脈(心拍数が通常一分間に60~70回が50回以下に)、目の症状として縮瞳(しゅくどう。交感神経の障害により瞳孔が小さくなる現象。神経系の異常のほかに脳出血や脳腫瘍、脊髄損傷も疑われますが強い光を浴びた時や近くのものを見るとき、痛みや強い閉眼によっても瞳孔は縮小します)、さらに筋力の低下、痙攣、低血圧など。

 そしてアセチルコリンの前駆物質であるコリン(作動性ニューロン)は糖尿病の本質に気づかせてくれます。コリンはリン脂質の材料の一つで覚醒、注意、記憶、学習、運動制御(筋肉の収縮)そしてレム睡眠の指令役を担う神経伝達物質でコリン作動性ニューロンの機能がダウンするとアルツハイマー病やパーキンソン病、注意欠陥・多動性障害などの神経疾患を引き起こしてしまいます。したがって片時もダウンしてはいけないはずなのですが抑制機構があります。それは前頭葉にあるヒスタミンのH3受容体です。ヒスタミン作動性ニューロンは視床下部から脳全体にヒスタミンを投射することによって覚醒状態の維持および興奮(日内リズムを持つ)、満腹中枢を刺激して食欲を抑制する、胃の粘膜に存在するECL細胞から生成分泌されると胃酸の分泌を促す、脂肪細胞及び血液中の好塩基球(白血球の一種)から生成分泌されるとアレルギー反応と炎症反応を引き起こす(喘息のプロセス)などの働きをしていますが、ヒスタミンが働くときにはその受容体が設置されたアセチルコリン、コリン、オレキシン、アドレナリン、ノルアドレナリン、ドーパミン、グルタミン酸(以上覚醒効果)、セロトニン、GABA、グリシン(以上鎮静効果すなわち副交感神経を優位にする)その他の働きは抑制されます。その影響が体表面に強く出るとアルツハイマー病やパーキンソン病、乗り物酔い、統合失調症などの神経疾患として表現されます。(つまりは興奮性の病気。追い詰められた感じや否応なしの泣きたくなる感情でいっぱいになる。少なくとも幻聴はヒスタミンの前駆物質であるヒスチジンというアミノ酸の聴覚神経の刺激によるものでしょう)

 ―――『心の病は食事で治す』(生田哲、PHP新書)によれば「ニュージャージー研究所のカール・ファイファー博士は1960年代に統合失調症者のヒスタミンレベルが異常に高いことに気づき、カルシウムの投与によって改善することを発見しました。また亜鉛不足などで銅濃度が脳内で高まると妄想・幻覚を伴う統合失調症が発症することとビタミンCとナイアシンの投与によってヒスタミン値を正常化できることを発見しました」。

 ナイアシンは別名ビタミンB3またはニコチン酸アミド(たばこの成分ではない)と呼ばれ、赤血球の材料になるだけでなく解毒作用と記憶力を高める作用を持っていますので脳内にたまった銅(および他の重金属)とアンモニア(脳内で使い古されたタンパク質の分解によって生じる有毒物質。通常はグルタミン酸がその除去に当たる)を除去することで低ヒスタミンによる症状を抑制したと考えられます。ちなみにグリア細胞にも脳内で発生した老廃物や有害物質を除去したり体内に侵入してきたバクテリアを食べたりする働きを担っています。脳内にアンモニアが溜まるともやもや感や注意散漫、抑うつなどが起こるのでこれを晴らそうと人はグルタミン酸を多く含むハムやベーコン、インスタント麺などの加工食品グルタミン酸から作られるGABAを多く含む食品(トマト、カボチャ、発酵食品、ギャバが添加されたココア、チョコ、牛乳など)を多く摂取するのですがヒスタミンによってグルタミン作動性ニューロンもGABA作動性ニューロンも(おそらく恒常的に)制御されているため症状を悪化させる一方になりそれでニコチンやカフェインやアルコールやコーラやドラッグそしてコルチゾール(すなわちストレス荷重活動)でごまかそうとするのです。

 グルタミン酸も過剰摂取により免疫力の低下からのアレルギー反応(かゆみ、じんましん)やぜんそく様症状、神経細胞の損傷や細胞死を促すことによる統合失調症、アルツハイマー型認知症、筋萎縮性側索硬化症(ALS)のリスクを高める、「中華料理店症候群」と呼ばれる頭痛、発汗、吐き気、手足のしびれ、そして消化器系疾患として腹痛と下痢を引き起こします。ただしグルタチオンという抗酸化物質の材料となり体内の酸化ストレスを軽減する効果と筋肉がつきやすくなる効果と腸内環境の改善および消化機能の向上の恩恵は受けられます。

 ※アトピー性皮膚炎の人がヒスタミン食品であるトマトを食べられることがあるのはリコピンの抗酸化作用と抗炎症作用が呼吸器系の症状を和らげるからで体内の活性酸素の除去にも貢献し糖尿病の改善も期待できます。しかも加熱すればナス科植物が持つレクチンの害(頭痛、関節痛、レプチン抵抗性により満腹ホルモンの脳への投射を阻害)を回避できます。実は上記の食品群にはヒスタミンの前駆体であるヒスチジンを多く含むものが含まれており、アトピーを治す食事としても紹介されているので避けている人は少ないと思いますが、ヒスチジンは生後六か月から六歳までの乳幼児は体内合成ができないのでこれが不足することが湿疹の原因になっていることがあり、またタンパク質の合成にも関与しているため子どもの発育にも影響を及ぼします。さらにヘモグロビンに多く含まれていて不足すると貧血になるすなわち疲れやすくなる、抗酸化作用が紫外線による皮膚刺激を軽減する、また角質の水分量を増やして肌の保湿を助ける、ストレスの軽減、脂肪の分解促進、そして脳内でヒスタミンに変換されて前頭前野で疲労感の軽減、覚醒状態の維持、集中力や注意力の向上、脳神経の保護による脳萎縮や認知機能の低下を予防するなどの働きを持っているため子どもの疲れやすさやADHDや肌の乾燥などがアトピー性皮膚炎対策のせいということが起こり得るのです。過剰摂取は血中の亜鉛濃度を低下させ、さらに銅を増加させて食欲の低下、発育障害、皮膚炎、味覚障害などをもたらしますが、避けすぎても恒常性を維持することができないことを覚えておく必要があります。

 ヒスチジンを多く含む食品ーーーマグロ、カツオ、ぶり、サバ、イワシ、サンマ、アジ、煮干し、チーズ、ヨーグルト、味噌、しょう油、納豆、鶏肉、豚肉、投入や高野豆腐などの大豆製品

 これらのリスクを持つヒスタミンですが、通常は食事の時にだけ働き、インスリンが分泌される頃(インスリン注射は一時間後に作用するといわれる)にはフェイドアウトするのではないかと思います。事実ヒスタミンは胃酸の分泌に関与しており、恐らく私たちが口にしたものにアレルギー物質が含まれていないかを審査して(感作という)異常がなければフェイドアウトしてインスリンに引き継ぎをし、アレルギー物質を見つけると肥満細胞や白血球に応援のヒスタミンを分泌するよう命令してアレルギー反応を示すのだと思います。(つまりアレルギー食品やハウスダスト、花粉などはすべての人にとってアレルギー物質であり、抑制性免疫細胞がヒスタミンの働きを抑制しているために健康な人は無症状でいられるのです) ヒスタミンのフェイドアウトをつかさどるのはH3受容体でヒスタミンがこの受容体に結合するとヒスタミンは抑制されて休眠していた神経伝達物質群が再び活動を始めるのです。(シエスタ?) つまりつまり食中・食後の覚醒維持を務めるのがヒスタミンの働きで、それは空腹と満腹にかかわるホルモンの働きからも推測できます。

 まず空腹ホルモンのグレリンですが、これは副交感神経を優位にし、成長ホルモンとインスリンを分泌することがメインの働きと書きました。しかし食事中には胃の消化運動の促進と脂肪蓄積作用が加わります。グレリンの血中濃度は食事の直前に高まり食後に向かって低下していきます。分泌時間はおそらく二、三分で効果の持続時間は医師などが一回の食事に二十分以上かけなさいと勧めることから二十分くらいでフェイドアウトして満腹ホルモンであるレプチンに引き継ぎます。レプチンは追加のヒスタミンと同じく全身の脂肪細胞から分泌されることからレプチンがもたらす満腹感にはアレルギー物質が含まれていた場合の食事の中止を含んでいるかもしれません。肥満症の人は体脂肪のせいかレプチン抵抗性のせいか血中のレプチン濃度が高まっているそうで、過食する人や長時間の会食を行う人たちを含めて彼らはレプチンに食事の中止を促されながら食事を進めることになります。そして医師などが食事中は食べることに集中するべきで、会話はよいとしてもテレビは消したほうがいいと勧めていることから食事中に別の神経伝達物質を活性化させない方が良いかもしれません。―――したがって肥満への極度な警戒心から食後三十分までに有酸素運動をしてグレリンの働きを抑制し、レプチンの脂肪燃焼作用を活性するという合理主義的な行為はヒスタミン独裁の扉を開ける危険な考え方です。成長ホルモンやインスリンが働くのは副交感神経優位の環境であって交感神経を優位にしてレプチンの活性を継続するということは食事時間を延長することに他ならないからです。さらに常にアレルゲンにさらされている人はヒスタミンがフェイドアウトしにくい環境にあるかもしれず、消化が完了する三時間より前に物を食べたり砂糖入り飲料を飲んだりするちょこちょこ食べはもちろん、日本人は特にしょう油と味噌というアレルギー食品を食文化の中心においていますからヒスタミンがフェードアウトしないとヒスタミン作動性ニューロン単体で生理活動をすることになり(あるいはヒスタミンの抑制作用を受けながら他の神経伝達物質が通常運転をすることになり)、行動や思考につながりや連携がなくなり、感情や運動に障害が起こることが予想されるからです。その代表的なものが統合失調症や強迫性障害でその人の脳内では食事中が続いているために捕食行動が解除されず攻撃的な性格を表現してしまうのです。さらに高血糖及び交感神経優位の状態が続けばそれだけ炎症反応が活発な時間帯が延長されることになり血管壁が傷ついて動脈硬化や感染症にかかる率(乾燥による)も高まってしまいますのでこれを鎮めるためにコルチゾールの分泌もひっきりなしになり日内リズムが崩れて夕方を過ぎても高い分泌量を維持することになります。しかもコルチゾールも脂肪分解作用を持っているので長く起きていればいるほどお腹が空くことになり夜遅くまで食べ物(糖質や脂肪)を求めることになります。これがレプチンの信号を無視することになりレプチン抵抗性を生み出す。そして毎食満腹感に引き止められながら食事を進めることになる。そんな生活をしていれば当然血糖値の波は激しくなり糖尿病の発症を容易にしてしまうはずです。それどころか低血糖症を併発している可能性も高い。そうしたら昼も夜も食前も食後もなくなり、もともと抑制と活性両方の性質を持つサイトカインの伝達も混乱して頭も体も休まる時がなくなり恐慌をきたしてしまうことは想像に難くありません。だから独裁を防ぐためにコレシストキニン(CCK)やグルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)など満腹感を伝達する物質が複数存在しているのです。

 ※ちなみにヒスタミン独裁の根拠となるオレキシンの働きについて、視床下部の腹内側核にレプチンとオレキシンの受容体があり、レプチンは食後に体温上昇を起こすことによって満腹中枢を刺激する働きがあり、同じ所に覚醒を司るオレキシンの受容体があるということは同様に食後に働く可能性があります。またオレキシンの活性は食後の別腹を作り出すともいわれていますから脳が食後の覚醒を促進するために更なる糖質や脂質の摂取を欲すると考えることもできます。

 ※低血糖の症状ーーー朝起きられない、異常な疲労感、気分のコントロールが効かなくなりうつと怒りの間を行ったり来たりする(アドレナリンは一時的に血糖値の低下を防げる)、猜疑心および優柔不断(脳の連携が取れないことによる思考力と判断力の低下)、漠然とした不安と恐れ(ヒスタミン発作)、めまい、ふらつき、睡眠障害、悪夢を見る(ナイアシン、砂糖とタンパク質の代謝に必要なビタミンB6の不足)、寝言を言う(ビタミンB6不足)、寝汗をかく(睡眠中の低血糖に対処するためアドレナリンを放出)、夢遊病、砂糖やアルコールへの渇望など一言で言えば神経疾患。グルタミン酸には砂糖とアルコールへの渇望を抑える効果があるのでこの点でもグルタミン酸への渇望が高まりやすい。だし文化の日本食はグルタミン酸の摂取が多くなりがちです。

 これを防ぐには「食後三時間は副交感神経の時間」と定めてデフォルトモードネットワークで仕事をすることをお勧めします。それは仕事を怠けるとか手を抜くということではなく洗練するということです。午前中の交感神経優位の時間に学習と試行錯誤に励み、副交感神経の時間にそれをまとめる。そして夕方の仕事でまた学習と試行錯誤をして明日の課題を見つけて仕事を終える。こうして頭の使い方にメリハリをつけることで脳に疲労を溜めず、体の負担も減らす。―――と言っても一日のエネルギー源の使い方を見ると運動習慣がない人は一日中安静時の状態で脂肪を主なエネルギー源としており、頭の使い方も行動パターンも同じなのでブドウ糖やグリコーゲンを余らせています。ただでさえ現代人の食事は糖質過多と言われている中でそれを消費しなければ体内でタンパク質と結合して(糖化)老化促進物質になるだけ、老いて病気になるためにご飯を食べているようなものです。それで被害者の思い込みでヒスタミンを悪玉物質だと決めつけてしまうのです。同じような思い込みは医学にはたくさんありますのでこの後もどんどん正していくつもりです。詳しくは『喘息&アトピー性皮膚炎の解読から人体の本質を知る3』で。交感神経の時間にはもっとギアを入れて働かなくてはなりません。

 コルチゾールを語るときに「疲れ切った副腎や膵臓に鞭打って」と表現するのも実は低血糖への間違った対処法です。では正しい対処法は何かと言えばインスリンの分泌を正常にすることです。体内でもそのために血中カルシウム濃度やリンとの血中濃度比1:1を回復するための努力をしたりしていますが私たちも糖尿病で弱った下半身(糖は上半身に作用が偏る傾向がある?)と肺を鍛え直してふくらはぎの筋ポンプ作用の正常化を図ったり慢性食事状態を解除して自らストレスを求めるような行動様式を自制するべきです。そうしてインスリンの分泌を正常にすればすべての病気は改善に向かいます。その根拠を示しましょう。

 インスリンの主な材料は亜鉛とアミノ酸です。アミノ酸については詳しい組成を知ることはできませんでしたが約4割を占めるのはロイシン、グリシン、アラニンだそうです。ここで重要なのは体内で合成することのできない物質をなぜ生体の恒常性を保つ最重要な機構に組み込んだかということです。

 人体で合成できない栄養素一覧ーーー必須アミノ酸のバリン(筋肉の協調運動を助ける)、ロイシン、イソロイシン、スレオニン、メチオニン(コリンの前駆物質で過剰なヒスタミンを取り除く)、リジン、フェニルアラニン、トリプトファン(セロトニンの前駆物質)、ヒスチジン(ヒスタミンの前駆物質)の九種、ビタミンA、C、D、E、K、B群(B1、B2、B6、B12、ナイアシン、パントテン酸/B5、葉酸/B9、ビオチン/ビタミンH)および全てのミネラル、必須脂肪酸(オメガ3とオメガ6の二種)

 調べてみると人間だけでなくすべての動物がそういう機構になっているということですので(ビタミンCはヒト、サル、モルモット以外はグルコースから体内合成可能)亜鉛とアミノ酸の体内合成能力は進化によって失われたものではないということがわかります。では海中の生物はどのようにして亜鉛を摂取しているのかと思い調べてみると海底熱水鉱床に銅、鉛、亜鉛、金、銀が含まれており、植物プランクトンがこれを摂取することで亜鉛の食物連鎖が始まり、あるいは海藻や一部の貝類は海水から直接亜鉛を摂取してこれを食べる上位生物に亜鉛を供給します。陸上では植物が根から土中の亜鉛を吸収して成長に利用し、その葉、茎、根、種子を草食動物や昆虫が食べることで食物連鎖を構築します。牛などの反芻動物では胃の中の微生物の力を借りて亜鉛を利用可能な分子に分解してもらってたんぱく質の合成や免疫機能や生殖機能の維持に役立てています。

 次に海中におけるアミノ酸の供給源は海洋生物の死骸や排泄物または海藻や植物プランクトンの光合成によるものでこれらを食べる生物から食物連鎖が始まります。陸上では植物が根から吸収した窒素を光合成によって得られたブドウ糖と結合させてアミノ酸を合成します。(主に葉緑体内で)グルタミン酸が合成の起点となってそこから他のアミノ酸が作られる。(アスパラギン、リジン、スレオニン、メチオニン、イソロイシン、バリン、ロイシン、アラニン、トリプトファン、チロシン、フェニルアラニン、ヒスチジン、グリシン、セリン、システイン)そしてアミノ酸からたんぱく質や他の化合物を合成して成長に役立てています。ちなみにグルタミン酸はクロロフィルやヘム合成の出発物質でもあるそうです。・・・アミノ酸が心を形成する要素ならば植物が心を持っていてもおかしくないかもしれません。ついでに海中におけるビタミンCの供給源も光合成です。

 これらが意味するところは海中生物から陸上生物へ動物の進化の流れです。基本的にすべての生物にとって酸素は破滅的な毒素で避けるべきものです。しかし長い歴史の中で海中からはじき出される種や冒険的な種が登場し、陸上に進出を図るようになってから酸素の克服が始まり、酸素を使わないエネルギー生成法や肺呼吸や紫外線や活性酸素による炎症を防ぎ、かつ治癒を早める試みが体内で何万年も試みられ、行動の定着によって遺伝子に反映されて少しずつ生物は酸素を克服してきました。そしてその中心的な働きをした物質こそが亜鉛とアミノ酸だったのです。だからこそ亜鉛の摂取および不足はあらゆる病気の発症と改善を網羅しているのです。したがってインスリンこそが人間の生命活動の源であり、私たちは高齢者から子ども、それから病人まで亜鉛とアミノ酸の摂取にもっと気を配らなくてはなりません。

 亜鉛の効用ーーーヒトの全酵素2200種のうち100種類以上(300種ともいわれる)の酵素の補因子として働き、脳の発育や精神の安定、DNAの合成及び複製、RNAの合成、たんぱく質の合成、皮膚や粘膜細胞の新陳代謝(コラーゲン生成に関与)、目の脈絡膜の健康を保つ(眼球壁を構成する膜の一つで目の形状維持に重要であるだけでなく網膜などに栄養を運び、また老廃物を運び出す、網膜を通過する不要な光反射を吸収して視覚の質を保つなどの働きをする)、骨髄の正常化、性的な発達およびテストステロンの生成、前立腺障害を予防、味蕾の味細胞の新陳代謝を助けて味覚を維持する(グルタミン酸の過剰摂取による塩味に対する鈍化を改善)、二酸化炭素の代謝、活性酸素の無毒化、白血球の生成を促進して免疫機能を高める、グルタミン酸作動性ニューロンの調整、脳内での重金属の除去、アルコールの代謝、ケガや火傷の治癒、骨を丈夫にする、視覚と嗅覚の正常化、脱毛予防など。

 亜鉛不足による影響ーーー成長の遅延による低身長、性腺発育不全(第二次性徴の遅延)および生殖機能の低下、免疫機能の低下、皮膚炎(びらん、水疱、乾燥)、鉄欠乏性貧血、味覚障害、脱毛、食欲不振、ストレス耐性の低下によりうまく対処できない、情緒不安定、強迫性障害、行動異常、無気力、うつ症状、記憶障害、睡眠障害(メラトニンの生成に関与)、下痢、胃腸障害、口内炎、爪の変形など。

 成長期や妊娠中、授乳中、高齢者、そして菜食主義者は不足しやすい。特に妊婦が不足すると子どもの学習能力や情緒(凶暴性)に悪影響を及ぼすとされています。

 亜鉛を多く含む食品―――カキ、レバー、ハム、鳥肉、鶏卵、イワシ、つぶ貝、アサリ、カニ、切り干し大根、かぼちゃの種、のり、アーモンド、ヘーゼルナッツ、クルミ、牛乳,松の実、ごま(ただし吸収率はビタミンCやクエン酸と一緒にとっても30%と低い)

 亜鉛の吸収を阻害する食品―――フィチン酸を含む穀類(米ぬか、大麦、玄米、キヌア、ハト麦、アマランサス、小麦、トウモロコシ)、ナッツ類(特にピーナッツ。カビ毒のリスクもある)、ゴマ、インゲン豆、ヒマワリの種、亜麻仁油、豚肉、鶏肉、そして多すぎる食物繊維とリン酸。

 補足

 動物の世界で摂食行動と言えば生きた獲物を狩って食べるまでを指しますが、人間も例に漏れないとすれば生活のためにお金を手に入れる行動も摂食行動であり、狩りの要素を意識する人は略奪や詐欺をはじめとする反社会的な行動や破壊行動に傾倒する傾向があるかもしれません。そして今のところ人間社会はこれを抑止する行動を取っていません。

 医学者は患者を被害者とする視点から原因や治療法を考えるから情報がつながらず正しい答えを出せない。これは仕事選びにも言えることですが、視覚的な情報を選択するだけでは決して最善の答えが出せないことを知るべきです。

 掃除とツボ指圧は似ている。掃除の目的は家をきれいにすること以上に摩擦などによって刺激することによって滞った悪い気や不活性を改善して家を元気にすることです。換気や線香を焚くのもその一つで線香の煙は仏様の食事になるそうですが家の気の食事にもなるのです。私は家の中の日当たりが悪い場所や気が重いと感じた場所にクラシック音楽を聴かせることもしていますが、壁や家具は確かに音に反応しているのが分かります。人間関係でも悪い状態の時ほど触れ合いが無くなっているものです。だから鍼灸学は自分に元気を与えるために乾布摩擦を勧めているのでしょう。またラジオ体操も体にとって「適度な運動」が伸ばす、反らす、曲げる、ひねる、ジャンプするなど全身を使った運動であることから有効な体操として全国的に広まっているのでしょう。こういう先人の知恵を理解し直すことで有効に取り入れ、継承していくことが人間社会には大切なことだと思います。

 この巻の最後に西原克成さんの著書『追いつめられた進化論 実験進化学の最前線』にアトピー性皮膚炎について有力な解説があったので引用及び加筆をしたいと思います。

 発生学の観点から見れば目、耳、鼻などの感覚器官と皮膚の表皮は外胚葉(受精した卵子が分裂して発生した初期の胚のうち一番外側の細胞層)から発生した器官なので鼻に異変があれば早晩耳や目や皮膚にも同じ異変が起こり、さらには脳や脳神経にもアトピーが生じることになります。また喘息に関与する気管支や肺などの呼吸器官と胃腸、消化管などの消化器官はすべて内胚葉から発生した器官です。これら呼吸に関わる器官は人類が魚類であった時代のエラから進化したもので四億年前のサメは耳たぶで水中の空気をとらえて呼吸していました。したがって人類も耳や鼻を呼吸器として扱わねばならず、これに反して口呼吸をすると全身のアトピーや喘息だけでなく肺気腫、気胸(胸膜腔内に空気またはガスが溜まり無症状または激しい胸痛、呼吸困難を生じる病)、間質性肺炎、扁桃炎、耳鳴り、めまい、難聴、さらにワルダイエル扁桃リンパ輪(のどの周りを輪状に囲むリンパ組織の集まりで鼻や口から入る細菌やウイルスを検知、識別し免疫細胞を呼ぶ働きをする)の障害により腎臓、副腎、生殖、泌尿器系が損傷し、鼻の原器である鼻(び)プラコードを障害されるとそこから発生した脳下垂体も障害されると主張されています。

 ※外胚葉から分化する器官―――皮膚の表皮や毛髪、爪、汗腺、脳やせき髄、下垂体、末梢神経、目・耳・鼻などの感覚器官、歯の骨格やエナメル質、耳下腺などを形成する。ちなみに中耳は内胚葉や中胚葉由来。

 中胚葉から分化する器官―――骨や軟骨、骨格筋や平滑筋などの筋組織、心臓、血管(動脈、静脈、血球)、リンパ管などの循環器系、腎臓、副腎、脾臓(横隔膜に接する器官で血球の破壊と新生、異物の捕捉、循環血流の調節を司る)、精巣、子宮など生殖・泌尿器系、真皮(皮膚の第二層)や結合組織などを形成する。

 内胚葉から分化する器官―――肝臓、胆のう、膵臓、胃、腸、消化器などの消化器系、咽頭、気管、気管支、肺などの呼吸器系、膀胱、尿道、尿管の一部などの泌尿器系、および甲状腺、副甲状腺、胸腺、扁桃腺、顎下腺、舌下腺、胸膜、腹膜などを形成する。※

 口呼吸の弊害については著者のブログに詳しく解説されているので世の乳児を持つ両親はぜひとも読んでもらいたいと思いますが、口呼吸のきっかけは卒乳及びおしゃぶりの使用中止が早すぎることにあると指摘されています。『哺乳動物の最大の特徴が生後お乳を啜ることである。生後二歳半まではこの吸啜(きゅうせつ)が最も重要な身体の使い方であり、力学作用である。人間は脳全体と大脳辺縁系の錐体外路系の運動野が吸啜による用不用の法則で発達すると思考と精神活動の表明である「ことば」が難なく習得されるのである。ところがおしゃぶりを使わせないで育てると鰓腸の内臓平滑筋に由来する咀嚼筋と舌筋と顔面表情筋がうまく働かなくなる。その結果、口が開きっぱなしになり、バカザメ(サメの種類)のように脳が退行して話ができなくなってしまう。ヒトとしての最大の特徴はことばであり、舌と口腔の使い方の工夫が脳を飛躍的に発達させるのである』P.159

 『この世に生まれ落ちたヒトの子は系統発生を繰り返しながら二歳半、六歳、十二歳、十八歳とエポック(時期、新時代を開く出来事、銘記すべき出来事)を画しつつ、二十四歳で成体として完成する。その間に、哺乳動物として生まれながら、生態としては哺乳類型爬虫類の時代、哺乳動物の時代、食虫類の時代、猿人の時代、原人の時代、新人の時代を経て、二十四歳で現生人となるのである。この二十四年間に哺乳動物の掟を破ると、でき損ないのヒトができてしまう。今の日本では子育てが六つも誤っているから、ほとんどまともな脊椎動物門・哺乳網・霊長目・ヒト科の動物として育っていない。こんな出鱈目な育児法は、四、五〇年前から始まった誤りで、先進文明国ではわが国だけである』

 ここでいわれている日本の育児法の六つの誤りとは1.離乳食の開始時期の誤り、2.おしゃぶり(乳首型)をはずす時期の誤り、3.寝相(うつ伏せ寝と横向き寝)の誤り、4.ハイハイとナメナメをさせない誤り、5.冷たい物を与える誤り、6.乳母車を早くやめる誤りです。そしてその原因は戦後アメリカ式の育児法を導入したことにあるとブログに書かれています。

 『日本では戦前から戦後二十年間まで二歳半まで母乳かミルクだけで育てていたので自閉症もアトピーも喘息もなかった。しかし昭和四十一年に東大小児科の高津教授が「スポック博士の育児書」を監訳し、当時アメリカでは自閉症になる赤ちゃんが多発していたにもかかわらず、知識層を中心にこれを導入した。このときから日本で子育ての荒廃が始まった。すぐに医者や学者の子が育ちそこなって低体温で無気力になった』

 では何がダメだったのでしょう?一項目ずつ見てみましょう。

1.離乳食の開始時期の誤り―――現在日本では母乳には粉ミルクにも含まれていない免疫成分(免疫グロブリン)が豊富に含まれており、乳児の腸の免疫システムが完成する生後二年までの免疫システムの補助的な役割を果たすという知識がありながら生後五、六カ月から離乳食を与えており、親たちも子どもが離乳食を飲み込むことを大変嫌がっているにもかかわらず無理やりスプーンを押し付けて卒乳させています。しかし二歳までの赤ちゃんの歯に食べ物をかみ切る力はなく、舌の味蕾も未発達でアジを覚えることはできませんし、腸は母乳のカゼイン以外消化できず、乳児用ミルクのカゼインタンパク質でも消化できないことがあり、麻薬用物質(カゾモルフィン)が生じて不機嫌、金切り声、夜泣き、母親と目を合わせない(サイレントベビー)などを引き起こします。オスロ大学のカール・ライヒェルト教授は小麦のグルテンタンパク質も完全に消化分解できないとカゾモルフィンが発生し、脳の発達を妨げたり自閉症、広汎性発達障害、注意欠陥障害(ADD)、多動症、言語障害、体重減少を伴う体の発達遅滞を引き起こすと主張しています。(これらの病気の90%の子の尿から麻薬用物質が見つかるとも) 欧米の子は乳糖を分解するラクターゼが三、四歳まで腸内で働くのでカゼインを分解できますが、日本人はラクターゼを失う時期が早いのでたとえ母乳でも35℃以下で与えると緑便(消化不良の証)になり、手足に冷えを生じ、お腹が苦しいのでうつぶせ寝になってしまうそうで、また生後六か月以降の水分補給用飲料として勧められている麦茶もグルテンを含むので控えた方がよく、授乳期間中の母親も小麦製品や乳製品、玄米のフィチン酸とアブシジン酸、雑穀、そば(十割そばは一応グルテンフリー食材ではあるが)、麦茶、ビール、ライ麦、一部のしょうゆ、みそ、ソース、揚げ物、加工食品、ピーナッツ(バターを含む)を控えた方がよさそうです。(幼児自身はさらに鶏のブイヨン、海苔の硫黄やリン酸、ちりめんじゃこやしらすや煮干しに含まれるアミン/劣化した動物性たんぱく質、肉類、刺身、生帆立、生エビ、寿司も少なくとも五、六歳まで控えるべき)

 また最近の母親はミルクの代用品として甘酒を与えるそうですがアルコールを含んでいるので論外です。それから大変よくあるうっかりミスとして西原さんが指摘しているのは哺乳瓶の乳首の劣化に気づかないことです。『月齢とともに吸う力が増せば早く劣化して乳首の穴は大きくなってしまいます。ミルクが多く出ると一気飲みに近くなるため胃に留まらず、胃の小弯から十二指腸に流れ、消化不良を起こします。飲むミルクの量の割に体重増加が少ない時には乳首のゴムの劣化が考えられますので新しいものと取り換えてください。交換時期は数カ月に一度になります』。他にも良かれと思って哺乳瓶の乳首のゴム穴をあえて大きくして舌と口を使わないでもお乳が流れ込むようにしている母親も少なくないそうでこういう子は嚙む力が育たない故に二十歳や二十四歳になっても満足に話ができない子(知的障害)に育つそうで母親の乳首や哺乳瓶をくわえて吸う力が嚙む力を養うことを知るべきと著者は言っています。

 生まれたばかりの赤ちゃんの腸内は乳酸菌を主体とする善玉菌のみの環境できれいな母乳を飲んでいる限りこの状態が続きます。しかし一度でも消化できないものが侵入すると大人の腸内環境に変わってしまい、悪玉菌や病原性を持つ大腸菌やウェルシュ菌、エンテロウイルス71などの常在菌の増殖が始まります。そして腸管に細菌かグルテンが結合することで腸の細胞間の隙間の開閉を調節することでバリア機能を担うゾヌリンというたんぱく質が過剰に分泌されるとこの隙間が広がって未消化の食べ物や悪玉菌やウイルスが血中に漏れ出して全身をめぐり、各所で自己免疫疾患やアレルギーを起こし安くなります。するとただの常温の水でも腸内が冷えるとバリア機能が低下して腸内のばい菌を取り込んだ白血球が全身をめぐる機会を与えることになります。そして目的の場所に到着するとなぜか膜を開いてばい菌をばらまき、細胞に取り込ませて昇華させます。それが皮膚表面で起こると発疹として現れ、のどで起こると扁桃腺炎や喘息になり、肺で起こると肺炎になり、耳で起こると中耳炎や難聴になり、目の網膜で起こると視力低下や盲目になり、肝臓で起こると肝機能障害になり、膀胱で起こると膀胱炎になり、脳で起こるとてんかんや精神障害や発達障害や神経変性症になります。バイ菌が完全に消化されるとこれらの症状もきれいになくなるのですが、食べ物を食べる度にエサを供給したり腸漏れが起こるような状態では分の悪い戦いを強いられることになります。しかし乳児の場合には離乳食をやめて母乳や乳児用ミルクに戻すだけで治すことができます。ちなみにこの戦いには血圧も重要で、70mHg(水銀柱)以下だと腸内細菌が自動的に白血球に取り込まれて腸壁の隙間が開くのを待つばかりになるそうで、赤ちゃんは30mHgで生まれ、60mHgに上昇すると立ち上がって歩き始め、重力に逆らって運動することで70mHg以上に上昇し、腸内細菌と戦える体になるようです。

 腸内環境(フローラ)が悪くなると口腔内フローラも頭皮フローラも悪くなる。

 ゾヌリンを多く含む食品は小麦などの穀物、乳製品、豆類、ナッツ類、種子などでリーキーガットによる他の影響はセリアック病やグルテン過敏症、一型糖尿病、炎症性腸疾患、肥満、糖尿病、クローン病、さらに脳炎による自閉症、統合失調症、アルツハイマー病などです。さらにがん細胞の拡散を助けてしまう可能性とゾヌリンが肝臓、腎臓、心臓、脳、免疫細胞からも分泌されることを考えるとこれらのがんの発生や転移にゾヌリンの働きが関与している可能性が高く、実際に乳がんとすい臓がんの患者でゾヌリンの血中濃度が高まっているそうですから乳児だけでなく母体や大人の健康のためにもグルテンフリー食を(食糧不足危機の問題と併せて)真剣に考えなくてはならないかもしれません。そして離乳食の開始を早くても一歳半から二歳以降にしましょうと著者は警告しています。『生後五、六カ月から離乳食を始めるとアトピー性皮膚炎を皮切りとするアレルギーマーチに突き進むことになる。それは皮膚炎、喘息、小児リウマチ、心筋症、腎疾患、血液疾患、多動症、自閉症、てんかんが次々起こる』。そして最悪『離乳食アナフィラキシーで死ぬことがある。一歳の頃から生エビ、生帆立、ピーナッツ、小麦(うどん、パスタ)、そばなどを摂るとこれら特殊なたんぱく質の抗原と腸内細菌の吸収により、一から二年後に熱性けいれんが始まりアナフィラキシーとてんかん発作を同時に起こして気管支のけいれんで死に至ることがある』

 ※セリアック病―――グルテンにより免疫系が小腸内層を攻撃し、下痢やガス、膨満感、栄養の吸収を阻害して体重減少や疲労を引き起こす病。

 クローン病―――胃腸管の炎症を特徴とする炎症性腸疾患。腹痛、下痢、体重減少を引き起こす。

 シェーグレン症候群―――恐らく口腔内で増殖して唾液腺を冒した細菌が目に移動して涙腺をも冒し、乾性角結膜炎と口腔乾燥症を引き起こす。さらに慢性関節リウマチやその他の膠原病を合併することがあります。

 ベーチェット病―――口内炎や陰部潰瘍(舌)、皮膚の発疹を伴う目の病気で目のかすみ、飛蚊症、物が見えなくなる、失明などを起こします。二、三十代の男性に最も多く発症する。

 ちなみにゾヌリンを阻害する食品がグルテンフリー以外にも紹介されていたので載せておきます。

 ・ポリフェノールのレスベラトロール、クルクミン、ケルセチンを含む食品。ゾヌリンのシグナル伝達を阻害してゾヌリン濃度を調節する働きがある。

 レスベラトロール―――ブドウの果皮、赤ワイン、ブルーベリー、コケモモ、ビルベリー、ピーナッツの薄皮、リンゴの皮、ザクロ、ココアパウダー他。ただし食品から十分摂取するのは難しい。

 クルクミン―――主にウコン/ターメリックに含まれる黄色色素で秋ウコンに特に豊富。カレー料理全般、たくわん(の色素)、栗のシロップ漬け(の色素)、マスタード、サプリメントや健康ドリンクに含有。黒コショウのピペリンや油と一緒に摂ると吸収率が上がる。

 ケルセチン―――玉ねぎの外皮、リンゴの皮、ブドウ、ベリー類、モロヘイヤ、ブロッコリー、アスパラガス、サニーレタス、ロメインレタス、ピーマン、ケール、ミニトマト、緑茶、紅茶など。これも油と一緒に摂ると吸収力が高まる。

2.おしゃぶりをはばす時期の誤り―――早すぎる離乳食は赤ちゃんに丸のみと口呼吸の習慣を学習させてしまいますが、おしゃぶりをはずす時期も日本や台湾などのアジア人では早いようで一歳で早々に取り上げて指しゃぶりも早くやめさせようと嘲ったり侮辱したりするのをよく見ます。しかし西原氏によればこういう両親もまた口呼吸をしていて自分の母乳がアレルギー物質で汚れているゆえに一日も早く卒乳させなくてはと無意識に考えているのかもしれません。しかしおしゃぶりには口を閉じる力を養うという重要な役割がありますので周囲からからかわれても四、五歳まで使わせるべきだと著者は訴えています。常時口が開いたままになるとすぐに鼻がダメになって風邪をひきやすくなったり、慢性鼻炎から中耳炎を引き起こしたり、唾液の分泌が減って乾燥から虫歯や歯周病になりやすくなったり歯の再石灰化が妨げられた理、歯並びが悪くなったり、片噛みの習慣がついてしまったり、視力が低下したりします。

 口呼吸により歯並びが悪くなるプロセスは、鼻呼吸ならば舌の位置が常に前歯の裏にあって上顎に適切な圧力をかけ続けることになりますが、口呼吸になると舌が下がってそれがなくなり、上顎の成長が抑制されることで歯列が狭くなります。また口を開けたままでいると唇や頬の筋肉(口輪筋)も鍛えられず、歯列を内側に引き締める力がかからなくなり、歯が前方へ突出する力が勝って出っ歯になり、また頬をすぼめる力が強くかかると受け口になったり上顎が狭まって歯が並ぶスペースが不足して八重歯になったりします。あとは上下のあごの位置が定まらず上下の歯がかみ合わない開咬(開咬、オープンバイト)になったりします。そして開咬が片噛みの習慣を作り上げ、骨や歯は圧力のかかるところで減り、かかっていないところで増える性質がありますから機能側の骨が減り、併せて筋肉も縮み、非機能側はたるみます。それで顔や歯の高さに左右差が生じ、連動して頭の傾きや肩の高さなどもつられて歪み、側弯や背骨の歪みが生じます。そうして機能側を下にして寝る横向き寝の習慣が連鎖的に起こります。

 横向き寝の利点はいびきや睡眠時無呼吸症候群を持っている人でこれを軽減するのに有効で腰痛持ちや妊婦さんも楽な寝姿勢を調整できます。また消化器への負担軽減と胃酸の逆流を防ぐ効果もあるようです。(特に左向き時) 一方で長時間同じ向きで寝ていると肩や腰に負担がかかり骨盤や方が歪むことがあり、血流の悪化による冷えや体の凝りは特に乳幼児突然死症候群のリスクになります。さらに下側になった顔やあごが自重で圧迫されて歪み、むくみ、たるみが生じたり、顎関節症やかみ合わせの悪さからくる歯ぎしりや欠け、割れを生じることもありますし、下敷きになる腕の血管や神経がつぶれてしびれや腱鞘炎を起こすこともあります。うつぶせ寝で本やスマホを長時間見る行為もアゴや歯並びのずれを生じるので避けるべきです。これが3.寝相の誤りです。

 口呼吸と視力の関係は目を閉じたりピントを合わせるときに使う眼輪筋と口を閉じたり特に前歯で咀嚼したりするときに使う口輪筋や咀嚼筋が頬の筋肉でつながっていて顔面神経の制御による連動性があるため、一方が衰えると他方も衰えるという関係にあります。したがって口腔内の乾燥が目の乾燥を引き起こすことも視力低下の原因と考えられています。これに関してかわせみデンタルクリニックのコラム『【眼科と歯科】小学生のお口の力が視力に影響する!?』では岡山大学の研究グループが二〇一一年に発表した「口唇閉鎖力が強い小学生ほど視力が1.5倍良い」という論文を紹介すると共に眼輪筋が弱いと眼球が大きくなりやすく、眼軸長(目の奥行き)が伸びやすくなる、これが近視の原因になることを教えてくれています。

 『口呼吸は必ず免疫病を引き起こす。免疫病とは小児喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、白血病、リウマチ、悪性リンパ腫のことである』

 口を閉じる力が自制心を養う!

 ・・・口呼吸やリーキーガットによって簡単にてんかんが起こるなら遺伝子異常型の思春期早発症に見られる笑いてんかん(面白くもないのに些細なことで笑う)も通常のセロトニン被曝や肥満ででも発症する可能性があるかもしれません。

 4.ハイハイ、ナメナメをさせない誤りは血圧上昇のための運動やいたずらをさせないことで立ち上がるのが遅くなることを指摘されているのだと思いますし、ナメナメを含めて探索行動を禁止することによる発達への悪影響を訴えていらっしゃるのだと思います。

 そして5.冷たい物を与える誤りは赤ちゃんが基礎体温が高い割に冷えやすいことを世の母親たちが見落としていることに警鐘を鳴らしていらっしゃるのだと思います。ブログでも「ミルクを正しく42℃で与えているのに子どもの便秘が治りません」と訴えてくる母親が子どもの手足を剥き出しにした服を夏でも冬でも、そして注意後にも着せ続けていると嘆いておられます。中には氷水を与える母親や生まれてから一度も子どもを湯船に浸からせたことのない母親もいたそうで体温が一度以上下がると白血球が貪食力を失って脳炎を起こすのでアイスクリームは十二歳まで食べさせないよう警告しておられます。『赤ちゃんは一時間に一億個の細胞分裂をしているので体温は常に37.5℃でなければいけないことを医者が知らないのです』『ウェルシュ菌が脳へ行くと自閉症や癇癪(かんしゃく)を発症し、これにアイスクリームが加わると脳炎や小脳脊髄変性症、ミトコンドリア脳筋症を発症する』。『大人の癇癪も鼻呼吸にして体を温めて低体温を直せば完璧に治せる。/ビールを4℃で飲む野蛮な国は日本とアメリカくらいでヨーロッパでは常温で飲み、冬には40~80℃にしている。日本でも昭和三十年以前までは冷酒を飲むのはヤクザと渡世人だけだった』

 6.乳母車を早くやめる誤りは大人でも負担のかかる二足歩行で乳幼児のうちから無理をさせるべきではなく三、四歳まで乗せてもよいと主張されています。サルの赤ちゃんでも自立した後もしばらくは長距離移動の際には母親の背中に乗って移動することが知られています。

 ・・・西原さんのおかげで私たちが病気になる原因がさらに絞られましたね。乳幼児期の腸内環境が一生を決めるとは限りませんが、離乳食の開始を六カ月~二歳半に変えるこのたった二年の違いでその子の免疫力や脳や体の発達、障害にかかる病気の種類や可能性が決まるとしたら親御さんは仕事や家事の片手間ではなく、もっと真剣に子育てと向き合わなければならないと思います。そしてより重要なことは西原さんの提言を市民の利益のために医師会の儲けや思惑や恐怖に惑わされずに広く周知することです。

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