まとめてつぶやき1105 喘息&アトピー性皮膚炎の解読から人体の本質を知る5 改訂版

第五巻ではいよいよ恋愛について科学的に解説していきたいと思います。

人間の脳では環境や母国語や特定の人間への適応のためにシナプスの刈り込みが数回行なわれ、生後二カ月頃から生後八か月までの間に増えたシナプスと五、六歳までに増えたシナプスの刈り込みが行われることが知られていますが、実は恋人ができた時や妊娠した時にもシナプスの刈り込みが行なわれ、「灰白質の減少」として認識されています。かいはくしつは脳の各部位の体積を構成している神経細胞の集まりです。

思春期(八歳~)には二十五歳まで発達が続く前頭前皮質(広く前頭葉)と腹内側前頭前野(内側前頭前野の一部でより情動的・個人的な価値判断に傾倒している)と海馬でシナプスの刈り込みが行なわれ、脳の構造を社会的なつながりや報酬を重視する回路へ最適化すると共に幼少期のスポンジのようにと例えられる過剰な学習能力を抑えることが目的とされています。ただし灰白質は酷使し過ぎたためにすり減るのではなく、使われないから整理されるという仕組みなので実際に活発に活動しているのは別の部位になります。腹内側前頭前野と海馬はデフォルトモードネットワーク(DMN)の中枢を構成する部位で、正常に活動している時には過去の記憶に基づいた思考をしている、すなわち経験が通用する課題に取り組んでいるので安心し、リラックス状態にあります。それが崩れたのは経験のない事態に直面し、ストレス、不安、恐怖またはパニックなどの強烈な感情にさらされたからで、うつ病初期や九歳から十一歳の逆境体験がこうした経験の例とされています。

この事態に対応するために活動する脳の部位は扁桃体、背外側前頭前野(dlPFC)、島皮質、視床下部(自律神経センター、交感神経優位)で、扁桃体はブレーキ役である腹内側前頭前野の活動が低下することで過活動を起こし、パニックや強いストレス状態をもたらします。背外側前頭前野は感情の制御が効かない状況でおかれている状況を分析したり不安を理屈で抑え込もうとして過活動になります。島皮質は扁桃体からの情動的な信号や自律神経の乱れを心拍数の増加や内臓の違和感(胃腸の不調など)、体の痛み、不快感、緊張、嫌悪感といった身体的感覚に変換して各部に伝えます。

この状態が慢性化すると慢性的なストレスや睡眠不足を伴いやすく、神経細胞の過剰な刈り込みが前頭前野の成熟を遅らせて先に成熟する大脳辺縁系が司る感情を抑えきれずに不安定になったり、脳細胞や海馬の修復及び再生が停止して脳の機能異常や統合失調症などの精神疾患を誘発したり、もちろん灰白質の減少にもつながっています。まさに激動と言える時期で、幼少期の無条件に守られるべき存在から自己主張して家族や同級生たちと対等な関係を築く一個人への立場の変化に脳がドライに適応して計算、運動、言語など日常の行動や特定のスキルを自動化、無意識化、洗練するために無駄なプロセスや迷いを容赦なく削っていきます。そして使わない回路は淘汰されていくのです。この時期に無気力、不活性に過ごすことのないように脳の報酬系(中脳の黒質線条体や腹側被蓋野や側坐核)とドーパミンが過敏になり、彼らに新しい刺激やリスクに立ち向かう勇気や他者との競争や親密な関係から得られる高揚感や喜びや安心感を与えます。そしてこの変化によって私たちは恋愛や流行に積極的なリア充タイプと部活動への熱中を含むガリ勉タイプと心理学や創作物に興味を持つタイプその他多様な人生観に分岐していきます。(以下の第五層錐体細胞のスパイン形成もその一因)

ちなみに思春期から二十歳までの間に灰白質の約半分が刈り込まれると言われる一方で、六層からなる大脳皮質のうち第五層の錐体細胞では経験依存的(抽象的な思考や複雑なマルチタスク能力の向上)に神経回路の再編成とシナプスの増加(尖端樹状突起における樹状突起スパインの高密度集積部位の形成)が行なわれ、グルタミン酸の出力ニューロンとして皮質内の通信を強化することで複雑な人間関係や社会性の学習をサポートしたり、興奮性のグルタミン酸から作られるGABAによって未熟な前頭前野の抑制作用を補佐したり、ひいては前頭前野の成熟を助けたりします。(私見を追加すると脳内のアンモニアを除去したり、ノルアドレナリンなどが過活動を起こした時すなわちパニック状態の時に細胞死に導くことで暴走を止めたりもします)そして九州大学の研究によれば三つの部位からなる樹状突起のうち中央部でのみ思春期にスパイン(グルタミン酸作動性ニューロンが高密度に集積する領域)が増加すべきところを減少に転ずると統合失調症になることが明らかにされました。

さてこの状態で恋愛をするとどうなるか。特に恋愛初期の熱烈な時期から安定期に落ち着くまでの1.5~3年の間に脳の報酬系およびドーパミンの活性化により男女共通で大脳基底核の右背側線条体(主に尾状核や被殻。習慣化された・自動化された行動を実行)の灰白質が減少するとされており、自動的な運動や習慣行動、スキルの学習、報酬に基づく行動の選択を司っています。ただし実際に活発に活動しているのは腹側線条体(報酬の価値判断を再評価、意欲、目標を司る)および左脳の線条体、意識的な行動を実行するための前頭前野(計画、意思決定)と小脳(運動の調整)です。過去の経験をなぞるだけの恋愛をしていない限り私たちは目の前のパートナーと即興で感情のやり取りや気の利いたセリフ回しや駆け引きを行なっています。なお線条体全体が機能低下すると対人恐怖症や社会恐怖症を発症してしまうので脳はこれを回避します。

ちなみに右背側線条体の灰白質の減少(機能低下および整理)により生じる弊害はエピソード記憶の低下により「何をしたか」は覚えているが「いつ」と「誰と」の記憶が曖昧(あいまい)になり、どの情報を優先的に長期記憶に送るかの選択が弱まることで恋人との思い出が薄れやすくなったり思い出せなくなる、そもそも報酬(感動、喜び、ドキドキ)への感受性が低下して恋人への興味が薄れる、よって細かい変化に注意が向きにくくなり、服装や髪形や顔や表情の変化に気づきにくくなる、道に迷いやすくなるなどでカップルの典型的な喧嘩の原因を作り出します。

これに恋愛中の女性に特有に見られる前視床と側頭葉の活動低下を加えると「強いストレスや感情的な葛藤を抱えながら懸命に不安をコントロールしようと踏ん張っている、あるいはそれを分析し克服しようとしている状態」です。具体的には恐らく片思いの時から背外側前頭前野の過活動により、恋愛を成就させるため、相手の性格や言葉の意図を理解するために頭をフル回転させて「何とかしなければ、行動しなければ」という気持ちが強迫的に高まりながらも扁桃体による恐怖に抑制されて動けません。付き合ってからも言葉での表現が上手くいかず本音を隠したり、身体感覚が強調する好きという感情を伝えられずに悶々としたり、その一方で相手のことが知りたい気持ちを抑えられずに詮索したり疑ったり、相手の言動の裏を深読みしたり、思い込みに苦しんだり自己嫌悪に陥ったりして体調を悪くすることがあります。さらに側頭葉の低下により批判的な思考が抑制されて相手の欠点が見えなくなり、ともすれば相手の非常識な行動さえ許したり好意的に解釈してしまったりしますが、島皮質はそれをちゃんと不快や嫌悪感として認識しているため、これも彼女を苦しめます。そしてある日突発的に裏腹な態度をとって恋人との間に溝を作ることになります。

背外側前頭前野が代償的に働いている時には言語能力が失語症の軽度から中等度レベルしかなく、会話が単調になりやすいとか長時間の会話や深い議論ができない、脈略のない会話になりやすい、ユーモアや皮肉を理解できないなどの障害が出るそうです。要するに専門部署ではないために非効率で燃費が悪く、脳疲労の原因になるだけでなく他の作業が加わると機能しなくなります。これらは男女ともにパートナーから揶揄されることですね。―――ちなみに背外側前頭前野を損傷すると多幸症を生じ、一見すると陽気な人に見えるが脳の抑制機能が働かずに感情や行動のコントロールが不能という状態になります。

一方で恋愛中(特に交際初期)の男性の脳では後部帯状回と前頭前野の活動が低下し、自分と相手の境界があいまいになり、常に恋人のことを想い、顔色や体調を気遣い、批判精神を抑えて相手の欠点やわがままを許すなどして男性なりの一体感を実現しようとします。そのため普段以上にエネルギッシュに行動することができますが自分を見失うこともあります。またこれらの代わりに活発に働く感覚野、運動野、外側前頭前野(dlPFC)、島皮質、前部帯状回の働きによって女性と同じく深く恋人を愛し、情熱的に惜しみなく恋愛行動を計画、実行している状態です。島皮質の働きによって会いたい、触れたいという渇望に支配され、前部帯状回の働きにより恋人の自分に対する気持ちが気になり、感覚野の働きにより離れている時も恋人のぬくもりや皮膚感覚などをリアルに思い出します。そして外側前頭前野と運動野の働きによってどうすれば恋人を喜ばせられるかを考えて会いに行くとか抱き締めるとかプレゼントを渡すなどの具体的な愛情行動を示します。思いやりの点では女性より冷静で実践的です。

《妊婦における灰白質の減少》

妊婦の脳では使わない部位だけでなく高次脳機能を司る領域でも灰白質が減少(萎縮)します。これは恐らく子どもと脳活動や脳波を同期させやすくするためで、女性は母親になるにあたって成人男性や自分自身の複雑な心理的駆け引きや矛盾、葛藤を忘れて乳幼児の純粋で単純な欲求に対応・共感できるよう脳構造を変化させていると考えられます。なお、この変化は人工受精でも起こります。

妊婦はエストラジオール(エストロゲンの中で最も活性が高いもの)とプロゲステロンの急増により妊娠前から内側前頭前野と右上側頭回と右島皮質と小脳の灰白質の減少が始まり、少なくとも産後二年までその状態が維持される、あるいは部位によっては生涯減少したままという場所もあるといわれています。内側前頭前野はオキシトシンによって活性化すると我が子の写真を見た時に強く反応し、その反応も灰白質の減少が大きいほど強くなるそうです。また右上側頭回は母子間で言語と非言語的コミュニケーションによる交流や体を使った遊びをしている時に同期しやすい部位で親子の絆を深め、子どもの学習や言語理解能力の発達(皮肉や比喩の理解)や情緒の安定を助けますが、これら四領域の活動が低下すると子どもが泣いて訴えても何を求めているのかが分からない、子どもの痛みや悲しみに対する共感力はもちろん自分自身の疲れや我慢の限界にも鈍くなって限界を超えて頑張りすぎた挙げ句、倒れてしまったり突然感情が爆発して燃え尽きてしまったりする、小脳の機能低下によりマルチタスクをうまくこなせないことにイライラして子どものわがままや泣き声に「わざと私を困らせようとしている」と否定的な捉え方をして子どもとの衝突を激化・深刻化させてしまったりするなどの弊害が生じ、母親モードに十分には入れていないことが明らかになります。それはこれらの対極にあって活発に活動している扁桃体、後頭葉と一次感覚野、一次運動野、左の前頭葉と側頭葉そして脳幹という組み合わせを見ても明らかで、左脳が活性化して右脳が抑制されている状態は実は前向きで「子ども」という大きな報酬に満足し、育児・発達イベントの達成に向かって積極的にアプローチしていると言えますが、思春期から前頭前野(腹内側前頭前野と背外側前頭前野)の低下に代償的に自己制御(攻撃や衝動の抑制、社会的文脈/他者の介入に合わせて行動を修正する)や向社会性(自分の利益や安心につながる場面に限り共感、親切、協力行動を取る)を担ってきた扁桃体及びヤコブレフ回路(制御の要は前頭前野の一部である眼窩前頭皮質)は自分の不安や恐怖、嫌悪、怒り、喜び、個人的な関心事、トラウマ、性欲、愛情行動を防衛的に実行し、かつその結果を強く記憶することを優先し、後頭葉と一次感覚野と一次運動野から送られてくる視覚情報や感覚情報も状況判断力の低下ゆえに後手に回りやすく、時間や子どもからの要求に追われながら対処するという状態に陥っている、そして本能的な生命維持活動(呼吸、心拍、覚醒レベルの維持)に集中して働く脳幹がリストに挙げられていることから大脳皮質の性能ダウンを受け入れられず、子どもへの共感や理解よりも自分の感情や自己効力感を重視している心理状態を想像できます。

※右上側頭回を補足しておくと右側頭葉の上部にあるヒダ(襞)で聴覚処理や音の記憶、言語理解(声のトーンや表情や視線などの非言語的コミュニケーションと併せて言葉の意図を読み取る能力を含む)、感情処理(理解、共感)、空間と状況認識、洞察力(見抜く力)などを司り、機能が低下すると出来事記憶や視覚情報記憶が低下したり、道に迷いやすくなったり共感性が低下したり社会的、対人関係的に不適切な行動を取りやすくなります。代償的に働く左上側頭回も子どもの言語発達を支える中枢として機能するだけでなく、子どもの意図や感情を読み取る「メンタライジング/心の推察」や同期にも使えるようです。ただし親からの虐待やネグレクト、激しい暴言や叱責にさらされて活性化するとここが肥大化して言語性IQや理解力が低下するといわれています。ちなみに右側上側頭回の肥大は自閉スペクトラム症に見られる特徴でいずれにせよ左右の非対称性は社会的コミュニケーションを困難にします。

世の母親たちが高次脳機能の低下(ダウングレード)を受け入れられないのは機能社会的で結婚後も共働きを要求する私たちの社会が彼女たちに馬鹿になることを許さないからです。世間には専業主婦を現実逃避のように非難する声もあります。実際には脳機能を整理して社会から押し付けられたしがらみや不文律や矛盾や理不尽などの負の記憶や思考パターンを取り払った彼女たちの方が世の中を正しい目で見直すことができ、それはまた世の中に顧みられない独自の学説を著作や論文にして発表している研究者たちの視点でもあるのですが、政治家も資本家も世間の人々も高齢者たちも(立場を失う)恐怖でつながった関係を社会秩序と信じ、馬鹿になって彼らと一緒に成長し直そうとしません。世の父親たちの中に仕事に逃げる人がいるのも子育てより楽だからで、私たちは実は子育てや恋愛レベルの仕事や対人関係をこなしていないのです。だから子育てや夫婦関係の建設的な発展に対応できず、またその議論を回避して国の未来を担う後継者や家族集団を育てる義務を怠っています。私たちの社会がいつまでも成熟しないでおままごとのような幼稚な政治がまかり通り続けるのも第一線の人々が新参者の台頭によるダウングレードを受け入れないからです。

実際に会社員の脳の状態を推測してみると、まずサービス残業が問題になっていることから忙しさに追われている時に働く扁桃体が過活動になり、その影響で腹内側前頭前野とデフォルトモードネットワークが抑制されます。そして社内の空気を察したり、商談相手の感情や同僚や部下の苦しみを読み取って共感したり、リスク評価をしたりする時に活動する前部島皮質および交感神経および恐怖、不安、緊張、怒り、危機感、ストレス反応を司る右島皮質が活動しているはずです。そして特に日本社会に顕著な同調圧力を司っていると思われる左側頭頭頂接合部(LTPJ)の同期と、忖度(そんたく)を司ると思われる楔前部(けつぜんぶ)が強く働いていると推測します。LTPJは他者の視点や心を理解したり、アイデアや努力を評価したりする時に活性化する領域で特に上下関係で結ばれている間柄で同期しやすく、上司と部下、リーダーとメンバー、友人グループなどで拘束力を持っているほか、権力者やサイコパスやダメ男(依存的な人)など相手を支配することで利益や地位や安定を手に入れようとする人がここを活動させて獲物を物色し、脳の同期や服従を強要します。楔前部は基本的に自分の将来や健康状態、精神状態について考えるときに働く領域ですが、我が子や恋人などを案じて活動が高まると相手の幸福度が増すらしく、それを察知する脳領域の候補にもTPJが含まれています。(他に背内側前頭前野/「心の脳」、後部帯状回、海馬周辺がある)

複数人が似たような脳活動を発現している集団においてはそれぞれが期待された行動を取ることが望まれ、異なる意見や新しい概念を好まず、ミスやリスクや不一致も許されず、保守的で既存の体質や信条を維持することが絶対視されがちになります。そのような職場に創造性はなく、過去のデータや権威者の号令や流行の後乗りばかりで仕事がマンネリ化しやすく、息苦しいばかりになります。そんな職場やグループでうまくやろうと他者の意向や自分の言動をシミュレートし続けると間もなく脳疲労を起こしてストレス耐性が低下し、自己評価の低下や将来への不安をもたらしてしまいます。そんな状態では転職を考えることも難しく、進退窮まった状態に陥ってしまうことでしょう。―――ちなみに凡庸な父親は子どもの上側頭溝を活性化させて母親の教育を補足をするように他者理解や共感能力(いわゆる調整能力)の開発を促しますが、この領域はTPJと連動して高まりやすいので軍人教育を施しているようなものと言えます。

この拘束具から自由になる一つの方法は恋愛をすることです。女性たちの間で彼氏ができた子は付き合いが悪くなるとか無礼になるという愚痴をよく聞きますが、あれがLTPJから解放されて自由に発言できるようになった人の姿です。饒舌になって恋の助言をし始めるのも視界が明るく開けて友達のことが良く見えるようになったからです。「恋が上手くいくと仕事も上手くいく」というのは本当で、GABAを供給してくれる安全基地をを確保すると人は男性でも女性でも戦場で勇敢に振る舞うことができ、圧力にも強いストレスにも屈することなくポジティブな姿勢(左脳優位)で日々を楽しく過ごすことができるのです。

とすればいわゆる「白馬の王子様」は「白馬のお姫様」というべきでしょうが、残念なことに世の男性諸君はせっかく職場の改善点が見つかっても生活の安定のためには余計なことを言わない方がいいと言葉を飲み込んでしまう人が多いようです。すると「何とかしなければ!」と思うときに働く前部帯状回がバグって活動のアップダウンが起こって双極性障害を発症することになります。躁状態の時に気持ちが大きくなって買い物依存に陥ったりギャンブルで散財したりし、うつ状態になると将来に希望を持てず不眠あるいは過眠になる、副腎疲労のように身の回りのこともできなくなると言えば心当たりのある人がいるのではないでしょうか。

そこで集団から抜きんでる人は上頭頂小葉を開発して不要な情報を捨てる選択的注意を高め、かつ小脳を思考の高速化に利用して熟練した技能や思考パターンを自動化します。つまり現代社会の課題である「要らない」をはっきり言えるような状態に自分を仕上げます。さらに天才は緊急事態を伴う扁桃体/ヤコブレフ回路から離れて海馬を含む側頭葉と下頭頂小葉を活用して徹底的に状況の言語化、空間認識、デフォルトモードネットワークで生み出したアイデアの速やかな論理的処理(背外側前頭前野の働き)、概念の統合、小脳による思考の高速化などを訓練して左右の脳をつなぐ脳梁を発達させてフリーズする時間を無くしています。

ゆえに天才と凡人および秀才では情報処理速度およびプロセスが異なり、無理に合わせようとすると高い認知的・感情的負荷により脳疲労に陥ってしまうので凡人は現状維持バイアス(既存のルールや秩序安定)に逃げ込み、理解できないものを危険視して排斥することで自分たちの脳と社会的立場を守ろうとしたり、思考停止により耳は聞こえていても内容を処理しないなどの防衛行動を取るようです。共感というのは結局脳の活動レベルが同等で同期や脳波のシンクロ(=コヒーレンスという)が起こらなければ成立しないらしく、天才と凡人の関係だけでなく、カップルの間でも恋愛優先の思考パターンが前頭前野による感情制御によって崩れ、脳の同期が薄れてしまうと価値観の違いやすれ違いや愛情の薄れが生じ、多くはそれを克服する覚悟もなく別れてしまいます。―――女性が沈黙を嫌うのも脳の同期は言語的コミュニケーションの際にだけ生じるから―――。さらに年頃の娘が父親を嫌悪するのも生理周期が始まりホルモンの変化にと体調の変化に混乱している時に母親は安定、共感、扁桃体の活動をもたらすのに対し、父親はリスクに立ち向かう力や新しいことへの挑戦や体を使ったコミュニケーション能力および社会性の向上を説くので波長が合わないのかもしれません。そのとき大人の基準と速度で子どもに成長や共感を求めると同じように脳神経の発達を阻害することになって感情のコントロールや認知機能に障害をもたらしたり将来的な抑うつや不安障害、ADHD(注意欠陥多動性障害)の種を植え付けることになります。また、つまらない人と思う人とは初対面から波長が合っていません。

しかし自分を拒絶した人々が単に私を都合よく利用して欠如している創造力を補ったり彼ら一人一人の正解を探す手伝いをすることを求めているとしたら拘束具を受け入れてやるメリットはありません。労働者の手取りを増やすよりも必要なことは仕事ができる若者をどんどん昇進させて人生のライフプランをひと段落付けさせてあげることで結婚に踏み切りやすくすることです。なおかつ社会全体が恋愛や子育てレベルの仕事をこなすことで(と言ってもクレーマーの発言力を強化せよと言っているのではありません)恋人や妻や子どもたちの要求に怯まない精神力と問題解決力を身に付ける(涵養/かんよう)ことで何でも来いという姿勢になり、外国人の受け入れもスムーズになるのではないかと思います。成功に優る薬はないからです。同調圧力に抑圧された社会に足りないのは一人一人の成功なのです。共感の話にしても本来の共感には自分と他者を区別するという前提がなくてはなりません。さもなければ相手がなぜその感情を持つに至ったのかとか、なぜ不愉快で悲しい状況に留まっているのかなどを考えて相手に自分の状態を言葉で説明できるよう導いてあげることはできないからです。同じバイアスや脳波や心の傷を持った人が集まったってそこからは何も生まれません。人間は変化するために出会うべきです。

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