作品紹介

『Querer es poder ―意志ある処に道在り―』

ポットフェンは大変お調子者。孤児として生を受け、叩き上げのベロア工房主デュボワ・ムートンの家で厳しく育てられましたが、生来の楽観主義は育ての親の不屈の精神を受け継いでますます逞しくなっていました。

 物語は彼が十五歳になった年の夏、親方が幼馴染で二十年来のビジネスパートナーでもある金貸しのラコルニの裏切りに遭った事から始まります。恩師であるトマス司祭の助言により借金の返済を引き延ばすために巡礼の旅に出ることになったデュボワは司祭と家族の強い推薦によりポットフェンを代参として旅立たせることを決意します。密かに父親に認められたいと願っていたポットフェンにとっても降って湧いたチャンスでありましたので二つ返事でこれを引き受けました。

 さて、初めて外界に出たポットフェンを待ち受ける試練とは?

そして聖地サンティアゴ大聖堂で彼を待つ奇跡とは?

「VALEUR DE AMOUR -恋の色価-」

18世紀のボルドーを舞台に4組の男女が繰り広げるラブロマンス。

母の死を機に心を閉ざしてしまった名士の娘オスティリアと、図らずも彼女に恋してしまうブドウ農家の息子レヴィンのせつない物語を主軸にワインのうんちくを盛り上げるための伏線として大いに躍動する登場人物たちが物語に味わい深いブーケを与えます。詩人の持ち味である詩的表現も前作以上にロマンティックに盛り込んでおりますので、現代作からは決して味わうことのできない言葉の美しさをご堪能ください。

ダイジェスト版を立ち見

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「お前が私のものを盗るから・・・。」

家長制度が主流であった12世紀において長男は唯一の相続権保有者であり、下位の兄弟は長男が亡くなった時のスペア的な存在とされ、物心が付いたら修道院に預けてしまうのが慣習ともされた。そのような時代背景でもし長男より優秀な次男が生まれたとしたら・・・?

本著は神聖ローマ帝国皇帝フリードリヒ一世が北イタリアの平定に向けて五度目の遠征をし、ロンバルディア同盟と戦ったレニャーノの戦いを背景に名工らビスラズリーの工場を継いだ宝石商マルテッロが自身の劣等感を払拭すべく長男アメデオを名高い騎士に育て上げようと、類稀なる剣技を持つ次男レイシェルトの戦功を兄の手柄として公表するよう地元ブレシアの有力者フォンターナに働きかけるところに端を発し、父の期待と重圧に精神を病んでいくアメデオと、運命を受け入れて兄を慕うレイシェルト、そしてアメデオの婚約者に指名されながらレイシェルトに恋してしまう伯父の娘ヴィエレッテが織りなす悲しく切ない悲劇です。

許されない恋が愛に昇華されるための決断は痛ましく美しいものでした…。

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流れ星がもたらすのは幸運ばかりではありません。明日の事さえ分からない私たちには災難や悲劇と受け取ってしまいがちなこともしばしばです。しかしながらそれらは常に最善の場所から最善のタイミングでもたらされているはずです。もしもあらかじめ知らされていた私だって…。そう思ったことのある方はたくさんいらっしゃると思います。でも実際に(と言ってもフィクションですが)天使から運命がささやかれる人物がいたとしたら?これはそんな物語です。

運命をありのままに受け入れる少年と信仰のために抗い続ける戦士。そして彼らの神託を裏付けるべく導かれてくる多くの仲間や敵たち。それぞれの行動が一つの歴史、一人時間を作り上げていく、あなたが勇気を出してこの本を開かれればそんな天の計画を垣間見られることでしょう。砂時計は返されました。さあ、あなたの頭上に流れ来る星をお受け取りください。

『カッコウ坊やと不思議な森』Kuckucksjunge

 舞台は十七世紀初頭のドイツ、三十年戦争の第一期ボヘミア・プファルツ戦争の終盤、南西部の「黒い森」と呼ばれる森林地帯にある新教徒の村グータッハで生まれ育った主人公キーファが幼なじみで恋人のエリーゼとともに時代に翻弄されながら一人の画家として、そしてまた一人の女性、一人の人間として成長していく物語。

そこには「カッコウ坊や」と呼ばれる不思議な男の子の姿があった・・・。

 Kuckucksjunge in Schwarzwald1

『子どもの視点1』

当ページで連載中のつぶやきを編纂した随筆集です。

第一部は「発想を転換する」です。

私たちは誰もが自分の経験に勝る知識はないと考え、いくつになっても同じ過ちを繰り返しています。それは環境に適応するための方策であって一般の人はそれ以上の知識も仕事も求められないため進歩しようとしませんし、それを受け入れてもらえる環境も整っていません。しかしそれが必要な事も経験によって痛感しています。

ならば勇気を出して一歩踏み出しましょう。かつてデカルトも言ったように考える事はわれわれ人間にとって自然な行為であり、実は最もリラックスした状態なのです。わだかまりを捨て自分を解放しましょう。この著書はその第一歩をサポートします。

子どもの視点 第二巻

さて、第二部は「勝利に逃げない」です。競争社会では多くの人が競争に勝つことを目指しますが、勝利を得た後の人生計画を立てている人は少ないと思います。

莫大な富を得た資産家が目標を失ってうつ状態になったり貧乏人に悪さをしたりする例は中世から何ら変わっていません。「結婚は人生の墓場」などと申しますが目標を立てられない人にとって勝利は人生の墓場なのです。勝利に逃げてはいけません。私たちは何をおいても目標を持ち続けなければならないのです。

子どもの視点3

さて、第三部は「マザーコンプレックスを克服する」です。これは仏教が唱える「空」の思想から着想を得た考え方で人間は母親の母胎で発生した時から意識があってそこを原初の世界として認識します。そして誕生後はそこをユートピアと考え、帰巣本能に支配されます。

ただしそれは無い物ねだりですから際限がなく、かつ受動的な欲求ですから目標の立てようがない。それで権力者やお金持ちの男性あるいは宗教的な指導者に多大な期待をしてしまう。

しかし彼らはあなたを利用する事しか考えていないのでいつまでも幸福になる事はできません。そればかりか幸福が何かさえ分からないままです。幻想を捨てて自立しなければなりません。

子どもの視点4

最終巻のテーマは「アイデンティティを再形成する」です。自身の幻想

世界から脱出したあなたは今度は世界の偏見と闘わなければなりません。

人間社会もまた一つの幻想世界であり、そこに適応するあなたもまた作ら

れたあなたに過ぎないのです。私たちは社会や政治の事なんて偉い人が考

える事だと言ってついつい身の回りのことだけを考えがちですがそれでは

永遠に自分が何者かを知ることはできません。作られた自己を脱ぎ捨てて

本当の自分を知るには世界の偏見をかいくぐり、しがらみから解き放たれ

なければならないのです。

愛されるためにするべき30のこと

~あなたは頑張りすぎていませんか~

https://leanpub.com/to-be-loved

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